インド「高速鉄道」の裏で、もう一つの提案

「在来線の準高速化」は日本の得意分野か

東海道新幹線に乗り込む直前の安倍首相とモディ首相(撮影:尾形文繁)

日本とインドは昨年12月12日の首脳会談で、ムンバイ―アーメダバード間を走る高速鉄道案件において日本の新幹線方式を採用することで合意した。それから1年、両国の関係各省間で協議が重ねられ、11月10~12日にはモディ首相が来日。安倍晋三首相との間で2018年着工、2023年開業というスケジュールが確認された。

インドにはムンバイ―アーメダバード間以外にもデリー―チェンナイ間、デリー―ムンバイ間など複数の高速鉄道計画がある。これらの路線は日本に先を越された中国や欧州勢が受注を勝ち取ろうと躍起になっており、すでに中国系や欧州系のコンサルタントが事業化調査を受託している。むろん、安倍首相はこれら他路線の受注にも意欲満々。モディ首相にインド全路線の受注を働き掛けたが、残念ながらモディ首相からの確約は得られなかった。

インド「大物政治家」のメッセージ

1週間後の11月17日、新幹線の国際標準化を目指す国際高速鉄道協会(IHRA)の国際会議が京都で開催された。会議にはタイ、マレーシア、シンガポール、アメリカなど新幹線に関心を持つ国の鉄道関係者がパネリストとして参加。もちろん、インドの鉄道関係者の姿もあった。

「高速鉄道が拓くインドの未来」と題されたセッションには、JM・シンディア下院議員がパネリストの1人として登壇した。高速鉄道がインドという国をどのように変えていくかというのがセッションの主眼だったが、シンディア議員の”変化球”のような発言が、会場の注目を集めた。「インドでは高速鉄道だけではなく、在来線のバージョンアップによる“準高速鉄道”も並行して計画を進めている。日本は準高速鉄道への参入を考えていくべきだ」――。

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