東急がシェアオフィス事業に乗り出したワケ

もう一つの「満員電車ゼロ」に向けた取り組み

東急がサテライトシェアオフィス事業に乗り出した(記者撮影)

小池百合子・東京都知事が選挙公約として掲げた「満員電車ゼロ」。話題となった2階建て電車はホームの改造を必要とするなど巨額の設備投資を伴うため簡単には実現しそうにない。選択停車ダイヤといったそれほどコストはかからない方策もあるが、ノウハウの蓄積も必要で鉄道会社としてはおいそれと踏み切れないのが実情だ。

そもそも、満員電車ゼロへのアプローチは大きく分けて2つある。一つは列車の本数を増やすこと、そしてもう一つは時差出勤によりラッシュ時の利用者を減らすことだ。前者だけでなく、後者についても鉄道会社は知恵を絞っている。

早起きキャンペーンだけでは解決できない

11月24日、東京メトロは12月1日から「東西線早起きキャンペーン」を実施すると発表した。東西線は都内でも屈指の混雑路線。とくに木場―門前仲町の混雑率は200%に達する。東京メトロの施策は、朝ラッシュがピークを迎える前の時間帯に通勤・通学してもらうことで混雑緩和につなげようというものだ。キャンペーンの参加者は早起き通勤をするたびに「メダル」を獲得でき、メダルの枚数に応じて最大2万円の商品券のプレゼント抽選に応募できる。努力賞として応募者全員が500~1000円の商品券をもらえるコースもある。

このキャンペーンは新入社員や新入生が通勤・通学を始める4月から、そして寒くなりコートで着ぶくれする12月から、それぞれ3カ月程度行なわれる。毎年定期的に行なわれ、今回で11年目だ。キャンペーンを行なうことで、混雑率はどれだけ緩和するのか。東京メトロ広報部は「数字で示すのは難しいが、明らかに効果は出ている」という。ただ、キャンペーンの景品にはコストがかかっており、「年間を通じて行なうのは難しい」(東京メトロ)。

こうした時差通勤キャンペーンは他社も行なっている。東急電鉄では早起きによる時差通勤に対しクーポンで特典を与える「早起き応援キャンペーン」を2009年から実施している。とはいえ、こうしたキャンペーンは利用者に早起きを促すものであり、利用者に負担を強いているともいえる。さらにいえば、東急田園都市線の大混雑はちょっとやそっとのキャンペーンではびくともしない。そんな中、東急は今年5月に新しい事業をスタートさせている。

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