集中力の続かない人は「仕組み化」ができない 大事なチャンスをみすみす逃していませんか

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あなたの具体的な問題や目標を思い描いて、「どんな仕組みなら自分に役立つだろうか」と問いかけてみましょう。必要な新しい仕組みは、別の仕事を見つけるとか、新しい情報システムを導入するといった、大きなレベルのものかもしれません。あるいは、会議をもっと集中しやすい時間帯に移すとか、部下に毎週水曜日の午前10時から1時間は邪魔をしないようにと伝えて「考える時間」をつくるといった、小さなレベルのものかもしれません。

目標を上手に定める「仕組み」づくりの6ステップ

大事なのは、創造的であること、そして、新しい仕組みがあなたの行動に与える変化をできるだけ強力なものにすることです。

最後に、目標を効率よく定める仕組みのつくり方をご紹介しましょう。

<ステップ1:短期目標>

1日の目標を「3つ」立てます。3つだけです。目標が多すぎると実行の邪魔になるからです。3つの目標を達成してまだ時間があれば、さらに1つずつ順番に目標を追加してもかまいません。

<ステップ2:中期目標>

ステップ1と同様にして、2週間以内の目標を「3つ」立てます。

<ステップ3:長期目標>

半年から1年以内の目標を「3つ」立てます。

<ステップ4:生涯目標>

自分の一生の目標を設定しましょう。この項目は3つより多くてもかまいませんが、長くなりすぎないように注意します。いつでも変更はできますが、「死ぬまでにかなえたいことは何か」を設定することに価値があるのです。

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<ステップ5:進歩の評価>

定期的に振り返る機会をもつことで、たとえその時点で達成できていなくても、集中力とやる気を高める効果があります。

<ステップ6:目標の見直し>

自分の目標を定期的に見直しましょう。目標のリストを紙に書きだして、自分が脇道にそれていないかをチェックします。これは、あなたの集中力を新鮮に保ついちばんの方法です。

このように、仕組み化された形で目標を設定すると、多くの人がつまずきがちな「優先順位づけ」を自然とこなすことになります。「あれもできる、これもできる」という現代生活の“呪い”から逃れ、自分の行動を自分でコントロールできるようになるのです。

エドワード・M・ハロウェル 医学博士・精神科医

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えどわーど・ハロウェル / Edward M. Hallowell

医学博士。精神科医。ハーバード大学医学部で20年以上にわたって講師を務めたのち、現在はマサチューセッツ州サドベリーの認知力・情感医療で知られるハロウェルセンター所長。ADD(注意欠陥障害)およびADHD(注意欠陥・多動性障害)の権威として世界各国のメディアに登場している。3人の子どもを育て上げ、現在は夫婦2人でボストン居住。

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