100伝えるためには、1000の思いを込める
きみが聞きたいのは、「経営者はどうやって自分の考え方を社員に浸透させていくのか」ということか? そやな、その時、経営者にとって大事なことは、訴えることやな。
社員の人たちに経営者自身が考えていること、思っていること、そういうことを話し、説明せんといかん。自分たちの大将がいま、どんなことを考えているか、社員のみんなに知らせる、そういう努力を責任者はやらんといかんということやな。
そのとき、よう心掛けておかんといかんことは、その訴える内容について、責任者がどれほどの思いを込めておるかということやね。まあ、重要なことだから、一応みんなに話しておこうか、という程度ではだめやな。そんな気持ちであれば、部下の人たちに伝わるとしても、その真意の一割も伝わらんやろう。うん、重要やと。相当心を入れて話すと。かりに100伝えるために、100の思いを込めて話をすると。しかし、その程度の思いではあかんのやな、思いがまだ足りんわけや。部下に伝わっていくうちに、しまいには10ほどになってしまう。
100を部下の人たちに伝えようとするならば、そのことに責任者は10倍の1000の思いを込めんといかん。もうあふれるような思いで訴えんといかん。そういう姿でないと、責任者の真意は伝わらんものや。
それはけしからんというても、それが実際の姿やな。それよりも、責任者が、それほどの思いを掛けておらんということのほうが問題やな。社員が自分の話を十分に理解せんという経営者がおるけど、経営者自身が十分な熱意、思いを、そや、1000の思いやね、それを込めて社員の人たちに訴えておるかどうかということを、よう反省せんといかんわね。
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