厳しすぎる「教育困難校」生徒の高卒就活事情

希望を諦めさせることも、教師の仕事になる

教師は就職希望者への指導に奮戦する(写真:Ushico / PIXTA)
「教育困難校」という言葉をご存じだろうか。さまざまな背景や問題を抱えた子どもが集まり、教育活動が成立しない高校のことだ。
大学受験は社会の関心を集めるものの、高校受験は、人生にとっての意味の大きさに反して、あまり注目されていない。しかし、この高校受験こそ、実は人生前半の最大の分岐点という意味を持つものである。
高校という学校段階は、子どものもつ学力、家庭環境等の「格差」が改善される場ではなく、加速される場になってしまっているというのが現実だ。本連載では、「教育困難校」の実態について、現場での経験を踏まえ、お伝えしていく。

就職を希望する生徒が多い

「教育困難校」では、さまざまな理由から高卒で就職を希望する生徒が多い。現在、高卒の進路先でいちばん指導が大変なのは、就職である。そのため、高校3年生に就職希望者が多い年は、教師は仕事量が膨大になることを覚悟しなければならない。前回執筆した記事でも述べたとおり、「教育困難校」の生徒は、非常に親思い、家族思いだ。本当は何かやりたいことがあっても、家庭の経済状況を考えて、自分の本音を口に出さず、就職を希望する場合も多い。

そもそも、多くの生徒たちは、高校を卒業したいとは考えていない。卒業後の先に希望は見えないし、働きたいとも思わないからだ。仕事でくたくたに疲れている親や、バイト先の社員の顔を見ていれば、働くことに恐れをなすのは当然だろう。また、女子高生たちは、今が人生でいちばんいい時期と自覚している。女子大生や女子社員よりも商品価値があるのは今の立場であることを、よく理解しているのだ。できれば卒業したくないというのが本音だろう。

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