日経平均は横ばい、「トランプラリー」一服 楽天株は「FCバルセロナ」効果不透明で下落

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 11月17日、東京株式市場で日経平均は横ばいとなった。米ダウの下落や円高方向に振れた為替が重しとなり、序盤から売りが優勢の展開だった。日銀の指値オペ通告で一時プラスに転じるも買いは続かず軟化した。写真は東京証券取引所で昨年7月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 17日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は横ばいとなった。米ダウの下落や円高方向に振れた為替が重しとなり、序盤から売りが優勢の展開。午前中に日銀が初の指値オペを通告すると、日米金利差拡大への期待からドルが109円台を回復。

これを受け指数は動意付き一時プラスに転じたが、買いは続かず軟化した。後場は様子見ムードが強く小動きとなった。

TOPIXは小幅ながら6日続伸となった。米大統領選後に急ピッチな円安/株高が続いてきたが、市場からは「『トランプラリー』もさすがにスピード違反気味」(国内証券)との声も聞かれた。

メガバンクはそろって下落。東証1部銘柄の売買代金トップとなった三菱UFJ<8306.T>は一時4%安。三井住友<8316.T>は一時3%超安となった。業種別指数は証券が下落率トップ。保険、銀行など金融セクターがこれに続いた。

日銀の指値オペが通告された後、日経平均は切り返し一時21円高となったが、銀行株は弱含んだ。長期金利が低下したことで利ざや拡大の期待が後退。銀行業指数は前場中盤に日中安値を付けた。だが引けにかけては下げ幅を縮小した。

後場の日本株は小動き。安倍首相とトランプ次期米大統領との会談や、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が控えていることが見送り要因となった。

岡三証券シニアストラテジストの小川佳紀氏は「前日までの5営業日で日経平均は1600円以上の上昇となっており、これを考えれば底堅い動きとなった」と指摘。指値オペについては「結果的に長期金利の上昇が一服するなど、ある程度の効果はあった。ただ日本株には円安のプラス面と、銀行株の盛り上がりに水を差すマイナス面がある」とみる。

個別銘柄では大京<8840.T>が年初来高値を更新。17日付の日本経済新聞朝刊は、大京が2017年3月期から21年3月期まで累計した連結純利益のうち、50%を株主に還元する方針と報じ、材料視された。

半面、 楽天<4755.T>がさえない。同社は16日、スペインの名門サッカーチーム「FCバルセロナ」と4年間のパートナー契約を締結することで基本合意したと発表したが、「足元の利益への貢献や費用対効果については疑問が残る」(国内証券)との見方もあり、売りが優勢となった。

東証1部騰落数は、値上がり1069銘柄に対し、値下がりが772銘柄、変わらずが144銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      17862.63 +0.42

寄り付き    17766.61

安値/高値   17764.08─17884.06

TOPIX<.TOPX>

終値       1423.08 +1.43

寄り付き     1413.59

安値/高値    1412.71─1423.08

東証出来高(万株)237012

東証売買代金(億円) 24285.02

*見出しを修正しました。

(長田善行)

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