デキない人はPDCAの奥深さに達していない 6つの誤解を解けば誰にも強力な味方になる
確かに簡単なPDCAをひとつ回すことであれば、経験が浅い人でもできるが、簡単なPDCAをひとつ回せたからといって「PDCAはマスターした」と思うのは大きな勘違いだ。草サッカーで1回勝ったからといって「サッカーって簡単だね」と言っているのとまったく同じである。
私が初めてPDCAを知ったのは大学3年のときに参加した就活セミナーだった。そこに登壇したジョブウェブの佐藤孝治社長(現会長)が「企業が求めているのはPDCAを回せる人材である。面接の時に過去に直面した課題とそれをどう乗り越えたのかを必ず聞いてくるのは、それを確認するためだ」といった趣旨の発言をされた。
今までモヤモヤしていた視界が急に晴れた感覚だった。家に帰った私はさっそくA4のノートを開き、デカデカと「P」「D」「C」「A」と書き、それぞれに該当すると思われることを書き入れていった。
今思えば随分泥臭い方法だったが、他の方法など知らなかった。そんな初歩から始めたPDCAだが、何事も継続することが得意だった性格が幸いして、私はさながら熱心なPDCA信者として来る日も来る日もPDCAに取り組み、その過程でPDCAを回す方法は数え切れないほど変わっている。
PDCAは対象を選ばない
2.管理職向けのフレームワークだと思っている
PDCAサイクルは統計学者が品質改善を目的として考案したマネジメント手法である。実際、経営・管理業務・プロジェクトマネジメントには、絶大な効果を発揮する。ただ、そのイメージが強いばかりに「自分がチームを持つ立場になったら考えればいい。今の自分には関係ない」と思っている若い世代が大勢いる。
PDCAは対象を選ばない。上司や部下との関係を良くする、日々の時間の使い方の無駄をなくす、人脈を増やす、プレゼン技術を高める、交渉力を強化する、家族サービスの質を高める、恋愛上手になる、趣味で上達する、そうした目標でもいい。
だからこそ若い世代こそPDCAは効果がある。ゴールを定め、そこへの最短距離を探りながら前進を続けるための原動力となる。個人レベルで、そしてプライベートな目標でも積極的に活用できる。なぜなら、成長モデルであるPDCA自体も成長するからだ。
私がPDCAを回し始めた時期のPDCAの対象は、ほぼ、支店の営業マンとしての「新規開拓」に絞られていた。ただ「新規開拓」といってもさまざまなプロセスがある。それらを必死に分解して、効果のありそうな課題を選んではPDCAを回していた。
もちろん、それだけでも成果は出るが、PDCAを回す行為自体も試行錯誤を繰り返し、精度と速度を向上させ続けたことで、最終的な成果は「スキルの成長」×「成長スピードの加速」という二乗で増えていった。
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