「ガンダム」は、歴史を深く学ぶヒントになる

安彦良和総監督が語る現実世界との関連性

「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ運命の前夜」はファーストガンダムの前日譚を描いた ©創通・サンライズ
池上彰氏や佐藤優氏らのわかりやすい説明のおかげで、歴史上の大事件や現在の政治情勢の背景には、知られざる人間のドラマがあることが多くの人に知られるようになってきた。
1979年に初放送されたアニメ「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)も然り。「宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた――」。冒頭のナレーションでガンダムの歴史が淡々と語られるが、その歴史を動かしているのは主人公の好敵手シャア・アズナブル、敵方・ザビ家の面々といった魅力的な登場人物たちだ。
アニメーターとしてファーストガンダムを支えた安彦良和氏が、ガンダムの前日譚を「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」(シャア・セイラ編4部作、ルウム編)として映像化。ジオン公国が地球連邦に独立戦争を挑み、ファーストガンダムの冒頭に至るまでの経緯を丹念に描く。シャア・アズナブルはなぜ複雑な性格の持ち主となったのか。ザビ家は単なる悪玉ではないのか。東西の歴史に造詣の深い安彦氏ならではの解釈が登場人物に深みを与える。
ガンダムを知ると、現実の歴史はなるべくしてなったのではなく、生身の人間が動かしていたということにあらためて気づかされる。シャア・セイラ編の完結編にあたる「機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜」(11月19日イベント上映開始)を完成させた安彦氏にドラマの背景にある登場人物像について聞いた。

シャアの復讐心が戦争を引き起こした。

――前作でシャアが引き起こした「暁の蜂起」が、ジオン独立戦争のきっかけになりました。シャアはジオンが独立戦争を起こすように仕向けたのですか。

戦争を起こすことはシャアの目的ではありませんが、結果的に戦争になっても自分は頓着しないということでしょうね。

シャアは幼少期のトラウマからザビ家への復讐という近視眼的なターゲットしか見ない人間になっていて、ザビ家の面々をどうやって個別撃破していくかということしか考えていません。

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