日本のメディアが「広告連合」を作ったワケ J-PADが「運用型広告」に一石
2016年10月31日、パブリッシャーの自社資産の有効活用および市場における地位向上の実現を目的としたコミュニティー、パブリッシャー・マネタイゼーション研究会(以下、パブ研)が、Japan Publisher Alliance on Digital(以下、J-PAD)を発足した。
J-PADは、複数パブリッシャーがアライアンスを組み、1社では成し得なかった、大規模で質の高いキャンペーンの実施を可能にする媒体社共同体。現在、参加を表明しているのはAFPBB News、日本ビジネスプレス、東洋経済新報社、Perform Group、Forbes JAPAN、メディアジーン(DIGIDAY[日本版]の運営元)の6社となっている。
同共同体は、協賛するパブマティックが提供するプラットフォーム「SEVEN」を広告マネタイズ運用に活用。招待制オークションであるPMP(プライベート・マーケットプレイス)の販売を10月31日から開始した。
なぜ組織が結成されたのか?
グーグルとフェイスブックは、積極的なプログラマティック提供ベンダーのM&Aを行い、モルガン・スタンレーの調査によると、世界のデジタル広告費の85%を支配するまでになった。さらに、ベライゾンやAT&Tなども同分野へ新しく参入している。そのような、限られたプラットフォームによる広告ビジネスの利益独占へ対抗するために、J-PADは結成された。
同日開催された発表会の冒頭でパブマティックのプレジデント、カーク・マクドナルド氏は、「広告主とパブリッシャーの共有する課題は、広告の質、オーディエンスの質、スケールであり、パブリッシャー同士の連携が消費者との強い繋がりを構築する」とコメント。また、パブリッシャーの共同体はパブリッシャー視点で柔軟に運用でき、ファーストパーティーのデータ活用についてはアライアンスで統一して、機密性を担保するという。