小泉進次郎のイメージは、なぜ緑なのか? 選挙の勝者と敗者は何で決まるのか(下)

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そのほか、「赤木」さんは「赤」、「青木」さんは「青」というように、名前からイメージカラーを決める場合もあり、そうすれば名前とセットで覚えてもらえるため大変有効な選択であると言えます。ちなみに、すでにイメージカラーが定着しているベテラン議員を除き、イメージカラーは先着順というのが慣習です。あえて他の候補者とイメージカラーを被せるという戦略をとる陣営もありますが。

ちなみに、私のイメージカラーは、元気と行動力がアピールポイントであるため、情熱の色である「赤」にしています。一方、小泉進次郎氏のイメージカラーは「緑」です。「小泉」の「泉」から「青」にするのが通例であり、現に小泉純一郎氏は「青」にしていたそうですが、進次郎氏は気候変動・地球温暖化防止等の「環境」問題の解決を重要政策の柱の一つにしており、そのため「緑」をイメージカラーにしているのです。

キャッチフレーズはどうやってつくるか?

次に、候補者の政策・信条・アピールポイント等を端的に伝えられるキャッチフレーズを考える必要があります。横須賀市・三浦市で自民党の小泉進次郎氏等(→大好評だった小泉進次郎氏分析はこちらこちら)と戦った2009年の総選挙での私のキャッチフレーズは、「いざ改国!」でした。

ペリーが来航した浦賀・久里浜がある「開国の地・横須賀」と、戦う姿勢を感じる「いざ鎌倉」という言葉を合わせ、また、政権交代による政治改革を「改国」で表現したものです。次に、府中市・武蔵野市・小金井市で元首相の菅直人氏(民主党)や元武蔵野市長の土屋正忠氏(自民党)等と戦った12年の総選挙でのキャッチフレーズは、「まっすぐ政治改革」でした。

高齢である両氏との対比で、当初は「若い」「新しい」「31歳」等の言葉をストレートに用いる案もありましたが、「政治改革」という言葉でそれらを間接的に表現することにし、また、信念を曲げることなく貫き通し、政党を離れて菅直人氏と直接戦うことにした自らの政治家としての姿勢を「まっすぐ」で表現しました。皆さんの採点はいかがでしょうか?

ちなみに、小泉進次郎氏のキャッチフレーズは「明るい未来へ一緒に進もう」です。「明るい未来」で新しさ・将来性・希望等を表し、「一緒に」で国民との一体感を示し、「進もう」には自身の名前の一文字を取り入れています。ベタと言えばベタですが、押さえるべきポイントをしっかり押さえた、珠玉のキャッチフレーズだと思います。

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