小泉進次郎のイメージは、なぜ緑なのか? 選挙の勝者と敗者は何で決まるのか(下)

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弱点を補強するか、強いところをより強くするか

さて、地域別支持率と世代別支持率を調査した結果、弱い地域・世代を強くすることと、強い地域・世代をさらに強くすることのどちらを優先すべきかは非常に難しい判断です。傾向としては、衆院選(小選挙区)や首長選のように当選者が一人の選挙では、広い支持を得る必要があるため、弱い地域・世代を強くすることに力点を置くことが多いと言えます。一方、地方議会議員選挙のように当選者が複数人である選挙では、一定数の確実な票を固める必要があるため、強い地域・世代をさらに強くすることに力点が置かれることが多いと言えます。

また、政党支持率が高ければ政党色を全面に出し、逆に低ければ政党色を隠すことが常套手段です。ポスター・のぼり・街宣車等にある政党ロゴの大きさを比べてみると、勢いのある政党の候補者は政党名やロゴが大きくて目立ち、逆風の中にある政党の候補者は政党名やロゴが非常に小さい、または全く表示していないことが多いことに、皆さんもお気付きかと思います。

政策関心度の調査により、有権者の関心が高い政策を中心に訴えることで、効率的に支持を拡大していくことも、戦略の一つです。

「色」は候補者のイメージ構築に大切

候補者の魅力をアピールでき、また、他の候補者と差別化が図れるイメージを確立することが大切です。そのための重要なポイントとして、イメージカラーとキャッチフレーズがあります。まず、以下にあげる一つ一つの色が持つ印象を考慮に入れながら、候補者のイメージカラーを決定します。

赤=生命力・エネルギー・パワー・情熱の色

オレンジ=明るさ・温かさ・親しみの色

黄=健康・鮮やかさ・幸福の色

緑=優しさ・安らぎ・平和の色

青=希望・爽やかさ・穏やかさ・冷静の色

紫=高貴・神秘の色

白=純粋・神聖・平和の色

候補者自身が好きな色をイメージカラーにするというのも、候補者が気持ち良く活動できるという点で有効な選択ではありますが、候補者のアピールしたい点や他の候補者との差別化という観点から、たとえ候補者があまり好きではない色であっても、戦略的にイメージカラーを決定することが多くあります。

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