木村達哉です。今日はよろしくお願いします。今、私は高校3年生の担任をしています。このセミナーでは「リスニングをどのように指導するべきか」ということを、実際に灘で行っているリスニングとリーディングの授業を披露しながら、解説していきます。リーディングの授業もリスニングと基本的には同じです。全訳して読み下ろしていく授業では、リスニング力は身に付かないですから。
僕は今49歳ですが、僕らの世代というのはリスニングの指導なんてまったくしてもらわなかった世代です。だから自分が教員になっていちばん困ったのは、リスニングの指導でした。
文法やリーディングを教えるのには、まあぶっちゃけた話をしてしまえば、僕が高校時代に教わった方法をずっと踏襲しました。たとえば文法なら、前の黒板を目いっぱい使い、時制について解説をばーっと書き、例文を書き連ねる。生徒たちも必死に書き写す。頑張ってる感がすごくありますよね? だけれども、ちっとも力はつきません。
リーディングに関しては全訳をさせます。ノートの左側にコピーを張り、右側に全訳をして、上から読んでいくというような感じの授業を50分間やります。生徒はものすごく勉強します。教科書がちょくちょく変わらなければ、僕のほうは楽勝です。何年も同じノートが使えますから。
でもリスニングについては、高校でも大学でも指導を受けなかったので、授業のやり方を知らない。それでも僕が前に勤めていた学校のときは、大した影響はなかったです。当時、センター試験にはリスニングは導入されていませんでしたからね。また受験英語と実用英語は乖離していると思われていた時代なので、「今やっているのは受験英語なのだ」という割り切りがありました。受験に通用する英語だけを教えていればいいという感じでした。
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