社員が幸せじゃない会社は疲弊しか生まない

「企業理念」は暴走させずに共有せよ

理想的な人事評価制度を考えます(写真:MaCC / PIXTA)

電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)の過労自殺問題が、いまだ波紋を広げています。11月7日には、東京労働局などが労働基準法違反の疑いで、電通本社と関西などの3支社を家宅捜索。違法な長時間労働に対する社会の関心もかつてないほどに高まっています。

長時間労働についてはさまざまな考え方があります。私は、中小企業における人事評価制度のコンサルタントとしてさまざまな会社で働き方の提案をしてきました。拙著『3STEPでできる 図解 小さな会社の人を育てる「人事評価制度」のつくり方』でまとめているような理想的な仕組みを導入できている会社では、かなり長い時間仕事をしている社員も少なくなく、みずから進んで取り組む人たちばかりです。

なぜそのようなことになるかといえば、それは「理念共有型」の働き方を実現できているからです。会社の理念やビジョンを明確にし、そこに共感し、ベクトルを合わせてがんばってくれる社員の成長を会社、リーダーが支援しています。

この考え方を今回の事件に当てはめて考えた場合どうでしょうか。電通の場合、「理念の共有」が欠落していたように私からは見えます。

電通のビジョンが示す「誤読」の危険性

電通には「鬼十則」という訓示があります。4代目社長の吉田秀雄氏が昭和26(1951)年に創ったもので、「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。」 などといった衝撃的な表現が盛り込まれていますが、これが今でも社員のバイブルとされていると聞きます。戦後すぐの状況であればド根性論も役に立ったかもしれませんが、今は時代が違います。そのようなものをいまだに振りかざしていたら、社員はついてこないでしょう。

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