福島原発事故賠償で「新電力」にも負担を要求

安い電気の利用者にも負担を求めるのが適当

 11月2日、経済産業省は、東京電力福島第1原発事故被害者への賠償金の支払いを支援する現行制度について、東電を含む原子力事業者以外にも対象を広げて負担を求める方針を打ち出した。福島の小学校で2012年3月撮影撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 2日 ロイター] - 経済産業省は2日、東京電力<9501.T>福島第1原発事故被害者への賠償金の支払いを支援する現行制度について、東電を含む原子力事業者以外にも対象を広げて負担を求める方針を打ち出した。

原発を持たない新規参入の電力事業者(新電力)の利用者にも負担させる方向で議論を進める構えだ。電力自由化や原発事故の課題を議論する有識者会議で方針を提示した。

補償制度、過去に遡って消費者負担求める

福島事故によって、それ以前の国の制度では大規模な原子力災害が発生した場合、被害者補償にまったく対応できない実態が露呈した。

経産省がこの日、有識者会議に提出した資料は、原子力事故の補償のための資金は、「事故以前から確保されるべきだった」が、「措置が講じられず電気料金に算入することができなかった」ため、「安い電気を利用した需要家に遡って負担を求めるのが適当」などと記載。

「自由化の下で、受益者間の公平性をどのように考えるか」という表現で、新電力に移った利用者にも賠償関連の費用を負担させる意向をにじませた。

電力小売り市場では、今年4月から一般家庭まで自由化対象を拡大。原発を持たない新電力を消費者が選択できるようになったが、経産省の方針が制度化された場合、大手電力から「離脱」した消費者にも原子力に絡む費用負担が続くことになる。

会議に参加した委員からは、事故以前に確保すべきだった金額について「どう考えて算出するのかわからないと、議論のスタートラインに立てない」との指摘が聞かれた。

現行の賠償制度は、2011年9月に政府が設立した原子力損害賠償支援機構(現在の原子力損害賠償・廃炉等支援機構)に対して、事故を起こした東電が支払う「特別負担金」と、東電を含む原子力事業者11社が拠出する「一般負担金」によって賄われている。15年度の特別負担金は700億円、一般負担金は1630億円。

 

(浜田健太郎)

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