日本株は「トランプリスク」で暴落するのか 日経平均は307円安、ドルは103円台に突入

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トランプリスクで米国につられて、日経平均は307円の大幅安。ここから暴落はあるのだろうか(写真;AP/アフロ)

11月2日の日経平均株価は1万7134円と前日比マイナス307円の大幅安となりました。

しかし、直近ではドル円相場が一時1ドル105円台まで戻しました。国内企業の4-9月期の決算発表途中といったタイミングであることも、日本株にとっての追い風になっています。

確かに、想定為替レートを円高方向に設定し直すことで、今期の通期業績見通しを下方修正する企業が少なくありません。しかし、実勢レートが「再度厳しく見積もった企業の予想」よりもジワリと円安方向に振れてきたことで、株式市場は下方修正を早々に織り込むムードになっています。
企業によっては、期末に向けて逆に上方修正もありえる、そういった見方が10月以降の海外投資家による日本株買いを強める背景になっているような気がします。

ドル円相場はここからが正念場

とはいえ、チャート面から見ますと、ドル円相場はここからが正念場です。105円台半ばには強いフシ(今後の上げ下げにも影響する、過去の重要な価格帯)が存在するからです。例えば2014年1月の高値が105円44円でした。過去をさかのぼっても、2002年1月高値(135円処)を起点に、2007年6月高値(124円処)を通る上値抵抗線が105円台半ばを通っていることなどを考えても、105円台半ばを超えた円安になるかどうかは重要なポイントです。

実際、潜在的な円売り圧力は依然として残ったままです。なので、上述した105円半ばのフシを明確に円安方向に抜けていくきっかけさえあれば、投機筋による円買いポジションが円売りに変わり、一段と円安方向に動き出す可能性が十分ありえるということです。

一方、日経平均株価の短期的な注目ポイントは、「4月の高値」を上回れるかどうかです。すなわち今年4月に付けた高値1万7572円(終値ベース)を上回ると、2月の安値(1万4952円)と6月の安値(1万4952円)とで「二番底(二点同時)」となり、昨年高値からの下落相場がいったん終了したサインとなります。それが実現すると、当面は1万8500円前後まで上昇余地が広がるとみています。

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