クリントン大統領誕生でも円高ドル安になる トランプ大統領が消えてもリスクは消えない
米国の大統領選挙が最終局面に入ってきた。11月8日の投票日まで約2週間になり、まさに最終コーナーを回った状況にあるといってよいだろう。10月19日には、第3回目の大統領候補者によるテレビ討論会が実施され、お互いが激論を交わしたが、今回も中身のない議論に終始したとの評価であり、米国民の目は厳しいようである。
どちらが大統領になっても「国際情勢流動化」リスク
「不人気者同士」の選挙戦もまもなく終わることになるが、実際に大統領が選出されたあとのほうがむしろ心配になるほど、今回の選挙戦はひどい内容という声が多い。これまで世界経済をけん引し、さらに世界の治安をも維持してきた米国が、これまでと同じような水準で国家運営をできるのだろうか。
この点については、非常に不安だ。オバマ大統領が就任してからの米国の世界における地位や力は明らかに低下した。平和主義を掲げるオバマ氏の政策があまりに「腰砕け」であり、その結果、世界各国で様々な変化や新しい勢力の拡大を後押しすることになった。
この流れを食い止めるのは簡単ではない。来年1月20日に就任する新しい米国の指導者が、どのようなスタンスでこれらの問題に取り組むのか。その方針次第では、世界情勢はこれまで以上に混乱し、経済の停滞も著しいものになる可能性がある。
現在のところ、選挙戦では、米国のメディアはこぞってクリントン氏支持を表明している。これらの状況を受けて、トランプ氏は「政府による情報操作」「選挙自体が操作されている」との批判を始めるようになっている。選挙戦も最終局面に入り、事態の打開を図ろうとしているが、結果は芳しくない。
また、「投票は操作されている」「選挙結果を受け入れるかは結果を見てから考える」などと、これまでの大統領候補者では考えられないような発言を繰り返している。現在のマスコミのトランプ氏の扱いを考慮すれば、そのような発言が出るのもある意味では無理はないのだが、選挙結果を受け入れないというのは、米国の象徴でもある民主主義の否定ともいえる。
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