日本企業がカーブアウトを活用し始めた!

投資ファンドを使って事業を切り出し

――たとえば、日立グループが検討しているといわれる日立工機はどうでしょうか。

大塚 コメントしづらい。われわれの投資先の顧客ではある。なぜ(買い手候補として)うちの名前が出ているかよくわからないが、日立グループがいろいろ見直しを進めるる中で、事業ポートフォリオ全体の中でどの最終業界を狙うのか、と考えたうえで出てきた話だと感じる。日立製作所はどちらかというとインフラビジネスを目指しているが、日立工機の電動工具は建設需要に向けたもの。思い切り解釈を広げるとインフラといえるかもしれないが、日立が狙っている最終業界から少し外れるのではないか。

大企業は数多い事業に目が行き届かない

――大企業に対し、どのような切り口で事業再編などの提案を行っているのですか。

大塚 僕らが、(企業に対し)これがコア、あれがノンコアと勝手にいっても、それはあなたがたの仕事ではない、と言われるだけ。しかし、外から見たときにAという子会社にリソースが入っているか否かは業界調査を行うとわかる。A社の本質的な実力によってリソースが入っていないというのなら仕方がない。ただ、本人たちの意思があり、やるべきこともわかっているのに、資本のミスマッチが妨害しているのなら、だんだん事業は毀損していく。その際にわれわれが(提案を)申し上げるケースはある。

大企業も数多くある事業の一つひとつを、毎日見ているわけではない。とくに経営企画部門はそうだ。われわれが(2015年3月に)買収した日立機材(現センクシア)も、親会社がいい会社だし、今はいいけれども、10年後20年後をみると、どこかで大勝負をしないといけない(状況だった)。当時の親会社である日立金属にしてみれば、今日明日に死ぬ商売ではないからそのままにしておくと、どこかの時点から競争優位性が下がっていく。

――大企業の人事ローテーションの一環として、子会社のポストが使われている。それがカーブアウトのような動きを阻んでいる気がします。

大塚 それはおっしゃる通りで、気概のある人ならどういう立場でも頑張るが、コアじゃないと位置付けられた子会社の社長から「僕は転勤の一環でやってきたから」と言われることが、たまにある。その会社の従業員もかわいそうだし、そういう会社に私も投資はしない。そういうことがあるのは事実だが、昔に比べると減ってきていると思う。

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