日本企業がカーブアウトを活用し始めた!

投資ファンドを使って事業を切り出し

丸の内キャピタルの朝倉陽保社長は三菱商事出身で、カーライル・グループや産業革新機構でPEの経験を積み、2016年3月から現職。

 

――日本におけるカーブアウトの現状をどうみていますか。

「日本市場の存在感の縮小は深刻」と朝倉氏(記者撮影)

朝倉 私は約20年、投資ファンドの仕事をしてきたが、日本にはこれまで何回か波のようなものがあった。最初は2002~03年に金融庁が金融再生プログラムを導入したときで、相当集中的に不良債権を圧縮した。当時は(銀行などの)レンダー(貸し手)が企業に対し、事業を再編するようかなり強くプレッシャーをかけた。その結果、かなりの事業再編、カーブアウトが起きた。

ファンド業界の人間としてやや残念なのは、そのモメンタムがその後に続かなかったことだ。日本のプライベートエクイティ市場は先進国の中で最低レベルだが、事業再編においても大きなモメンタムが必要だ。

日本経済の縮小で経営も変わらざるを得ない

最近新しい流れとして、スチュワードシップコードなど、エクイティ(株主資本)サイドから企業の健全性をより強く求めていく考え方が出ている。これが日本でも浸透していけば、企業経営者もエクイティの視点でものを考えるようになっていくと思う。

 ――コーポレートガバナンスの強化が追い風になっているのですね。

朝倉 もう一つ、いよいよ深刻になってきたのが、世界における日本の国内市場の存在感が縮小していることだ。私がこの仕事を始めた頃は、日本の経済規模は世界の15%くらいあり、場合によっては2割くらい、米国の3分の2くらいまでの規模があった。ところが、今の日本の経済規模は世界の5%くらいで、このまま放っておけば3%くらいまで落ちるだろう。それは成長率が圧倒的に低いからだ。

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