海の森水上競技場には何が埋まっているのか 東京湾に70以上もある人工島の正体
2020年東京五輪のボート・カヌー場として候補に上がっている「海の森水上競技場」。小池百合子新都知事が就任以来、テレビその他で耳にしない日はありませんが、ところでどこにあるのかをご存じでしょうか? それは中央防波堤と呼ばれる地域の一角にあります。
中央防波堤はお台場の沖、あるいは若洲海浜公園から東京ゲートブリッジを渡った先。東京湾のど真ん中に位置します。ここは1960年代まで海でした。つまり人間の手によって埋め立てて造られた人工島なのです。
お台場も豊洲も羽田空港も「人工島」
同様にお台場も若洲も、やはり最近話題の豊洲もすべて人工島です。もっと言えば有明も晴海も月島も夢の島も、羽田空港も東京ディズニーリゾートも八景島シーパラダイスも、すべて人工島なのです。東京湾には、そんな埋め立てによってできた人工島がいくつあるのかご存じですか? 70島以上もあるのです。そんな島々の成り立ちを、私は近著『東京湾諸島』にまとめました。
ではなぜ、東京湾周辺にはこんなにも人工島が多いのでしょうか。
それにはまず、地形的な要因があります。そもそも縄文時代まで、関東平野はほとんどが海だったといわれています。それが次第に海が後退して陸地ができ、利根川や荒川が東京湾に流れ込むようになります。すると川が運ぶ土砂が河口から海へと流れ出し、遠浅の海岸を形成します。もともと東京湾は水深が浅いこともあり、埋め立てしやすい海だったのです。
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