ケンタッキー、調理を「見せる」新型店 “こだわり”強調、マックやコンビニに対抗

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カーネル・サンダースをイメージしたスーツを着て会見する渡辺正夫社長。

フライドチキン市場の中でKFCの存在感は飛び抜けている。しかし近年、マクドナルドなどの外食や、ファミリーマートなどのコンビニエンスストアがフライドチキン商品を強化しており、競争は激化している。

競合先の多くが中国産やタイ産などのチキンを原材料として使っているのに対し、KFCは契約している200カ所の農場で生産した国産チキンを使用。さらに全店で、粉付けなどの下ごしらえ段階から店内調理をしている点に特徴がある。

新型店で競合との差別化狙うが、多店舗化は未定

今回の調理工程「見える化」には、競合先との差別化のために、こうした同社のこだわりを積極的に顧客にアピールしていこうとする狙いがある。

6月5日、東京ドームシティラクーア店お披露目の場で会見した日本KFCの渡辺正夫社長も、「KFCのこだわりを理解してほしい」と、新型店舗に懸ける意気込みを語った。

もっとも、従来店にはない趣向を凝らした新型店舗だけに、設備にはおカネが掛かっている。東京ドームシティラクーア店の設備投資は、従来店に比べて3割増しの1億円程度とみられる。

日本KFCは今年3月末で1180店を展開しており、そのうち3割弱の329店が自社の直営店だ(残りはフランチャイズ店)。東京ドームシティラクーア店も直営店だが、設備投資がかさむこともあり、まずは実験店舗との位置づけ。多店舗化するかどうかは未定だ。

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