民間出身初の女性校長になった、剛腕マザー リクルートのトップ営業、会社社長、そしてどん底も経験

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「昔からハッキリ言うタチで、この商品はお客さんに必要ないと思ったら『出稿する必要ないと思います』なんて言ってしまう。だからかえって、信用されて、次々にお客さんを紹介してくれたのかもしれません」

30歳の時、MBA留学したのも、言うなら「お客様のため」。

「お客さんにこれからの会社は国際化だと、これからの社員は国際人だとお話しているのに、そう言う自分がちっとも国際人じゃない。これじゃあ、説得力がないよなぁと思ったのです」

アイデアは即実行が、平川さんの信条だ。留学を思い立ったと同時に、アメリカに学校見学に旅立った。

「そのとき初めて、MBAに入学するにはTOEFLが必要だと知りました。アホですよねぇ」

目的達成の手段がわかったら、実行あるのみだ。

「入っていると眠くなるコタツを捨て、誘惑の温床のテレビは後ろ向きにして猛勉強」し、いざ、南カリフォルニア大学のビジネススクールに進学した。

「大学は国文科だから、英語は苦手だし、会計なんてサッパリ。だから、勉強についていけなくて、留学中は、病院に担ぎ込まれたこともあります」

現在の仕事にもつながる、貴重な体験もした。

「教育関連部署にいた上司が、アメリカの大学の経営改革の成功事例を日本の大学に“移植”するため、アメリカの事例を研究しに来た。そこで、私は運転手兼通訳として同行し、アメリカの大学数十校を見て回りました」

MBAを修了後、リクルートに戻ると、すっかり「アメリカの大学ツウ」になっていた平川さんの元に、「このスキルを身に付けるには、どこに留学すべき?」といった質問をぶつける同僚や友人が押し寄せるようになった。

「留学は人の人生を左右する一大事業。そのアドバイスを的確にすることは、人の役に立つなと思って、本業にしたくなったのです」

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