「GDP」は残念なほど時代遅れな経済指標だ

デジタル化やグローバル化で陳腐化

生産面を測るGDPは経済指標として時代遅れなのか? 写真は中国・北京のビジネスセンターの建設現場で働く労働者(写真: ロイター/Jason Lee)

国内総生産(GDP)は経済統計の主役であり、その数字は全てを支配する。政策決定者の心を奪い、市場を悩ませる。トレーダーはGDP見通しに基づいて米金融政策に関する展望を細かく修正し、短期の予想業者はリアルタイムなデータの提供に努める。しかし、この道しるべはあてにならないことが、次第に明らかになってきている。

2014年の日本の経済成長率に関する論争を考えてみよう。公式統計によると、その年のGDPは0.9%減だった。しかし、日銀は最近になって、別のデータを基に集計すると2.4%増だった、とするリポートを公表した。

ほかの例もある。1990年代初めの英国での景気後退期において、同国GDPは最大で4.3%落ち込んだとされていた。しかし、現在では、減少率が2%に過ぎなかったことが明らかになっている。

修正で損なわれる信頼

こうしたかい離は、経済の健康状態を示す統計としてのGDPへの信頼性を損なわせている。さらに、かつて発表された統計の中身を受けてなされた政策決定に対する疑念にもつながっている。

ユーロ圏の経済回復が、低迷を経て2014年第2四半期(4〜6月)には止まってしまったとの統計が発表されたことは、欧州中央銀行(ECB)が2015年初めに量的緩和を実施する一因とされた。だが、最新の統計によると、14年4〜6月期のユーロ圏の実質成長率は0.2%のプラスだった。弱くはあるが、落胆するほどの内容ではなかったのだ。

GDPはインフレ調整後の経済成長率を示す指標として、四半期と年間の両方のベースで集計される。その国の資本や労働が最大限に利用された場合に達成できる潜在産出量と比較することで、経済実態を推し量ることができると理論的に評価されてきた。

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