オリンパス、“背水の陣”で挑むデジカメ改革 笹宏行社長に聞く

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損失隠し問題の発覚により、前経営陣が総退陣してから1年。今のオリンパスが迎えている試練が、デジタルカメラ事業の苦境だ。スマートフォンの普及などに伴うコンパクトデジタルカメラの不振などにより、前年度(2013年3月期)はデジカメ関連事業の赤字が膨らんだ。これを受けて5月15日にはコンパクトデジタルカメラの機種の絞り込みなど、大幅な構造改革策を表明した。
ただ、もくろみどおりにビジネスを立て直せなければ、オリンパスのデジカメ事業は打つ手がなくなりかねない。まさに“背水の陣”で挑む改革でもある。果たして立て直せるのか。勝算は――。笹宏行社長を直撃した。

「付加価値がつくかどうか」がキモ

――社長就任から1年が過ぎました。

ソニーとの資本提携をまとめたことが、この1年の成果として大きかったです。一時は、(財務の健全性を示す)自己資本比率が2.2%まで落ち、何かあれば債務超過に陥るかもしれない状況でした。資本提携先として複数の候補企業の中から、いい形でパートナーを見つけられました。

――今後の課題は。

やはり、デジカメ事業をどうするかということです。

――5月15日に、デジカメ事業の大幅な構造改革を表明しました。ここ数年で市場が3割も縮んでいるコンパクトデジカメについては、機種を絞り込む方針を示されましたが、何を基準にしているんでしょうか。

一言で言えば、「付加価値がつくかどうか」です。低倍率ズームの機種など普通に写真が撮れるだけのコンパクトデジカメは、スマートフォンによって確実に代替されてしまう。一方で、(耐衝撃性、防水性の優れた)「タフ」シリーズのように、ユニークで楽しい使い方ができる機種は利益も上げられるし、これからも継続していきます。

また、ミラーレスで培っている5軸手ぶれ補正やレンズ、画像エンジンといった技術が転用できる機種も残します。開発投資を回収していくという意味でも、先端技術を転用できる高付加価値のコンパクトデジタルカメラは重要です。

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