「セカンドバージン」に苦しむ妻たちの叫び セックスは信頼と愛情のバロメーター

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夫から求められたのは5年以上前。40代までは毎週のように求められ、求めていた。自分が諦めたら終わり、とB子さんは寝たふりをする夫を無理やり起こして、半年に一度はセックスする努力を続けている。

「嫌がられながらもなんとか最後まで至るのですが、私がレイプしたみたいで……。ここまでして夫にしがみついて、どこまでバカなんだと泣きたくなる」

B子さんをさらに追い詰めたのが、女性なら避けて通れない体の変化だ。2年前に閉経してからは性交痛がひどくなった。思い切ってジェルを使うことを夫に持ちかけてみたものの、「不倫相手には、こんなもの必要ないんだ」と思うとB子さん自身がしらけてしまったという。

生活の不安もあり離婚は諦めた。夫も家庭を捨てる気はないようだ。B子さんはこう語る。

体ではなく心の問題

ここだけの話、性について思うこと 

「以前は、信頼関係があれば年をとったらセックスはしなくても幸せなのかもと思っていました。でも、夫に裏切られセックスレスになったことで、セックスは信頼と愛情のバロメーターなのだと気づいた。肉体の飢餓感より精神の絶望感が深い」

精神科医の香山リカさんは、「セカンドバージンで感じる不安や苦しみは、体ではなく心の問題」と話す。心のバランスを崩しカウンセリングを受けに来る、特に40~50代の女性患者は、よくよく話を聞いてみると悩みの背景にセックスレスが隠れているケースが多いという。

「セックスレスに悩んでいるというと、欲求不満かと思われがちですが、全く違います。既婚、未婚に関係なく、女性として認められていない、求められていないと感じることで自信を失ってしまう。それが、セカンドバージンにおびえる女性たちの不安の正体です」(香山さん)

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