「セカンドバージン」に苦しむ妻たちの叫び セックスは信頼と愛情のバロメーター

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特定の相手がいるのに、という点で、既婚者のセカンドバージンのほうが悩みが深いかもしれない。そうした苦悩は、一時期話題になった「同窓会不倫」とも無関係ではないという。夫から女扱いされずにいた女性が、懐かしい同級生から「きれいになった」などとほめられ、禁断の愛に走ってしまう……。

「女性の場合、セックス=性欲の解消という人は多くない。女として愛されている実感、もっと言えば、自分の存在価値を確認できる行為、それがセックスなのです」(香山さん)

イライラが減りました

10年近いセカンドバージンにピリオドを打った女性がいる。都内在住のCさん(51)は、30代でデキ婚、出産、離婚。女手一つで一人息子を育ててきた。

「仕事と子育てに追われる毎日で、正直、セックスについて考える余裕なんてなかった」

45歳を過ぎると体に変化が。胸が下がるなど体形が変わり、突然汗が出るといった更年期特有の症状も出始めた。

「もう、誰ともセックスすることなんてないかな……」

女性としての自信を失いかけていたが、出会いは突然に。今年、仕事で知り合った男性と付き合うことになったのだ。

「体を見られたくなくて、部屋を真っ暗にしてもらってます。彼は私がすごく奥ゆかしいと勘違いしてるみたい(笑)」

Cさんがそこまで気にするのは理由がある。実は彼、14歳年下なのだ。しかし、

「この年になって初めて『体の相性がいい』という幸福感を知った。身も心もまるごと愛されている実感があって、イライラすることが減りましたね」

セックスが女性として人としての自信を取り戻させてくれる。それは一理ありそうだ。しかし香山さんはこう警鐘を鳴らす。

「セックスさえすれば不安や苦悩が解消できる、というものではありません。『誰でもいい』『無理やりする』では、ますます自己嫌悪に陥り、さらに傷が深まることもある。自分を大切にすることを決して忘れないで」

(文:中津海麻子)

※AERA 2016年10月24日号

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