サラリーマン大家、「空前ブーム」の夢と現実 冷遇をバネに年1400万円を稼ぐ会社員も

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東京都心の大手企業で秘書をしている阿部洋子さん(30代後半)。4年前から投資を始め、現在の儲けは年150万円程度だが「もっと資産を増やして、いつか脱サラしたい!」と言う。

彼女が不動産投資を始めたキッカケは、大病による1年半の長期休職だった。原因は不明だが、当時の部署での長時間のデスクワークとストレスが原因だと思われた。

休職期間中、阿部さんは悶々と毎日を過ごした。「何もできていない私は、いったい何のために生きているのだろう、と毎日悩んでいました」。自己啓発系のセミナーにも通ってみたが自分の中に納得できない部分が残った。やはり社会に貢献できるものがいい、そして何よりちゃんとおカネが貯まることをしたいと、投資スクールに通い始めた。

株や為替など資産運用の知識をひととおり学んだが、特に興味を引いたのは不動産だった。兄と親が建築業に従事していたこともあるが、以前にロバート・キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』を読み、その不動産投資の成功談が印象に残っていたこともあった。

よい男を見つけるより、よい物件を買ったほうが楽しい

超低金利や将来不安なども後押ししています(写真:xiangtao / PIXTA)

2012年に相模原市に区分マンションを600万円で購入したことを皮切りに、2013年には埼玉県蕨市に賃貸併用住宅を3300万円で購入。2014年には埼玉県川口市の戸建て住宅を330万円で購入した。

「不動産投資で自分は変わったか」と尋ねると、彼女は即答した。「会社の給与だけに依存しなくなったので、上司の顔色をみた発言をしなくなった。財務・法律の知識もつき判断力も高まった。時間をできる限り不動産投資に割くため効率よく仕事をするようになった」。

阿部さんは今も独身だ。「よい男を見つけるより、今はよい物件を買ったほうが楽しい」と話す。「男って大体、共働きでも家事をしろとか言ってくるでしょう。でも物件は私が自由にできる。おカネも手元に貯まっていく。こんなに楽しいことはない」。

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