速報!第2回TV討論「トランプ善戦」の不思議 一気に支持を失う中で壊滅的敗退は免れた

✎ 1〜 ✎ 49 ✎ 50 ✎ 51 ✎ 最新
拡大
縮小
第2回討論会は、文字通りの「中傷合戦」だった(写真:REUTERS/Jim Young)

米国時間の9月26日夜に行われた第1回テレビ討論会(前回記事「速報!TV討論でヒラリーが圧勝できたワケ」を参照)で、民主党のヒラリー・クリントン候補に圧倒的な力量の差を見せつけられた共和党のドナルド・トランプ候補。その後の脱税報道やきわめて下劣な発言テープの暴露などにより、地滑り的に支持を失う中、10月9日、第2回討論会の日を迎えた。

トランプは圧倒的に不利な形勢だ。にもかかわらず、討論会において自滅することはなく、「何とかしぶとく持ちこたえた」印象を受けた。

しかしそうなると、改めて感じるのが、「なんで、こんなトンでもない人が大国アメリカの大統領候補としてここまで、生き延びられているのか」ということだ。一体、誰がどうして、こんな人を支持しているのか、日本人の多くが疑問に思っていることだろう。今回の記事では第2回討論会を振り返りつつ、そのナゾに少し迫ってみたい。

立ち続けたトランプ、座ったヒラリー

今回の討論で際立ったのがトランプの圧倒的なステージパフォーマンス、「場」の支配力だ。

まるで背後霊(写真:REUTERS/Rick Wilking)

前回と異なり、演台はなく、ステージ上に置かれた2つの椅子にそれぞれ腰かけ、順番に立って発言するという形だったが、トランプは立ったまま。ステージ上を自由に歩き回り、ヒラリーが発言している時も「背後霊」のように起立したままで、強烈な威圧感を与え続けた。一方で、ヒラリーは自分の発言が終わると、毎回、席に戻る。思わず、「トランプは立ち続けていられるのに、ヒラリーは疲れているのか」と感じさせてしまうほどだった。

ヒラリーは相手の発言を座って聞いていた(写真:REUTERS/Jim Young)

ヒラリーは言葉のキレもそれほどなく、前回ほどの余裕はうかがえない。前回は、ヒラリー側によって巧妙に計算され、用意された罠の中にホイホイと入り込み、じたばたするトランプの様子をヒラリーが高みから観察し、ほくそ笑んでいるような構図が見られたが、今回はそうした場面もなかった。

結局は不毛な中傷合戦に終わったが、大手メディアは、この論戦をどのように見たのだろうか。

次ページ大手メディアの評価は?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT