四季報春号から、企業の小さな変化を探そう 『会社四季報』夏号の発売前、やるなら今でしょ!

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さて、その『会社四季報』ですが、ゼミナール学生が、「ちょっと・わずか」をキャッチしました。富士フイルムホールディングス(4901)についてです。要点のみ紹介します。

(1)社名 ベテラン投資家の皆さんには、当然ですが、初心者のみなさんは、同社が展開する事業分野をご存じないのではないでしょうか。すでに「写真フィルム」の売り上げは驚くべきほど縮小し、「お正月を写そう」でおなじみのコマーシャル(CM)コピーは、遠い昔のことになりました。そして、社名の「フイルム」は、「イ」が大きいことに気づいている投資家も少ないはずです。

(2)特色欄のわずかな変化
2012年春号までは、特色欄では、「写真フィルムから医療画像、内視鏡、液晶フィルムへ転換。(以下略)」でしたが、2012年夏号では、「写真フィルムから医療画像、液晶フィルムへ転換。(以下略)」となり、「内視鏡」が消えたのです。内視鏡については、本文コメント欄でより詳しく説明しています。特色欄のみ注目していたのでは、重要なわずかな変化を見逃します。さらに、2012秋号では、本文コメント欄で「レンズ」が詳細され、2013年新春号では、「円高逆風やM&A、レーザー光源内臓の内視鏡発売」についての記述があります。さて、現在発売中の春号は、お手元でご確認ください。こうした「ちょっと・わずか」の変化を嗅覚を研ぎ澄まして、キャッチしていただきたいです。

(3)学生ならではの嗅覚力
お年寄りから若者、小さいお子さんや、海外からの旅行者など、日本を代表する、多くのファンを持つエンターテインメント企業。株式投資家の間では、オリエンタルランドといったほうが早いでしょう。開業30周年は、CMで周知のはず。けれども、公式スポンサーとなると、ベテラン投資家でも即答できないのではないでしょうか。この富士フイルムは公式26社のスポンサーの1社です。

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