「ドラゴンボール」を欧州に広めた男

日本アニメ輸出の第一人者、アニマックス滝山社長に聞く

フランス・カンヌで4月初旬に開催された世界最大のテレビ番組見本市「MIPTV(ミップティービー)」。今年は50周年を記念して、「テレビ業界を国際的に発展させた6人」に特別功労賞が贈られた。受賞者6人に名を連ねた滝山正夫氏は、世界各国に日本のテレビ番組を販売して32年、ヨーロッパにも熱狂的なファンを作った「ドラゴンボール」「キャプテン翼」「美少女戦士セーラームーン」など、“日本アニメ輸出”の第一人者だ。アニマックスブロードキャスト・ジャパン社長のほか、ソニーピクチャーズエンターテインメント業務執行役員などを務める滝山氏に、日本のアニメが海外で受け入れられた背景、テレビ番組輸出の今後の展開について聞いた。

日本のテレビ番組で唯一、海外に売れるのがアニメ

――日本アニメの販売に携わって30年超の実績が、世界的に認められました。

私ほど日本のアニメを海外に売った人はいないと自負しています。そもそもMIPTVとはテレビ番組見本市なので、今回の特別功労賞受賞は、ここでの売り買いの規模の大きさや長年に渡って各国との取引を行ってきた実績が評価されたということになります。

そのため、受賞者にクリエイターは含まれておらず、私を含め6人全員がライセンサー(テレビ番組など著作物等の権利保有者)なんですね。ドイツを代表する番組制作・配給会社の最高経営責任者やアメリカのCBS放送の番組配給事業のトップなど名だたる企業の方々が並ぶ。日本には匹敵するような規模で、世界各国でのテレビ番組販売を手掛けてきた会社が、残念ながらありません。日本のテレビ番組で唯一、一定の規模で海外に販売しているのがアニメです。

ドラゴンボールZ (C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション  毎週月曜から金曜 夜8時からアニマックスで放送中

最盛期には、イタリアの前首相ベルルスコーニが創業したメディアグループ傘下のテレビ局で、平日朝2時間、午後3時間、夜2時間の1日計7時間、日本のアニメを放送していた時代がありました。土日の朝の放送も含めると週に40時間、1年間で2000時間分、1話30分とするとアニメ4000話を販売したことになります。

1980年代後半に放送を開始した「ドラゴンボール」を見て育ったフランスの子ども達も今や30~40代。日本のアニメで育った世代が家庭を持ち、自分の子どもと一緒に日本アニメを見る。30年以上販売し続けたことで日本アニメは海外での社会的地位を確立し、2世代で楽しめる番組として受け入れられています。

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