ネットは、「いじめ自殺防止」の武器にもなる 失われる命を救うためにやるべきこと

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最も大事なことはいじめによる自殺の阻止

いじめの問題を前進させるためには、この問題を分解、分類して、優先順位をつける必要があります。この問題の中身は、

①いじめる側への指導、いじめ再発防止

②いじめによる自殺の阻止

この2つに大きく分類できます。そして優先順位。優先されるべきは、言うまでもなく……圧倒的に②です。だって人の命が失われるんですから。

いじめる側にも、親の問題、その子の生活環境など、気の毒な要因があるのかもしれませんが、少なくとも、そのいじめが原因で「いじめっ子」本人が死ぬことはありません。だから、その子に対する「ケアや更生」は後回し、優先順位は低くて良いはずです。

いや、どちらも同時に取り組めて、結果も出せるなら、そもそも優先順位なんてつける必要はありません。でも学校でのいじめは、私なんかが生まれる前からずっと続いているんです。

これだけ年月をかけても根絶されていない問題、しかも大人の世界にだって存在する問題。これを解決するって、とんでもなく難しい挑戦だと思いませんか? 少なくとも私は、「いじめの再発防止」という言葉を軽々しく使いたくありません。

でも、学校の先生が「いじめは無くせないかもしれない」と口にすることは、恐らく世間が許さないでしょう。だから、代わりに言わせて下さい。

「いじめはおそらく根絶できない、あるいは根絶にとんでもない時間がかかる問題です。でも、それまでに命を絶ってしまう子どもがいるのです。だからいじめ撲滅は“後回し”にして、何よりもまず、いじめで死を選んでしまう子どもをひとりでも減らす取り組みを優先しませんか?」

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