誤った“顧客志向”に走る、困った人々

感謝されたいのはわかります、が……

つい、先日の話ですが

「ご要望には何でもお応えします」

と言い切る、サービス精神旺盛な営業マンに遭遇しました。事務機器系の会社に勤めるDさん(26歳)。「聞きたいことがあるのだけど」と連絡すれば、すぐに飛んでくるフットワークのよさに加えて、無理難題にも応えようとする姿勢がとても好印象。お客様の声に耳を傾ける『顧客志向』で、営業成績も高いようです。

顧客志向と言えば、企業がお客の要望を聞く、お客様窓口のあり方も変わってきました。以前なら、お客様相談室に電話で要望を伝えたとしても、

「商品開発など、今後の参考にさせていただきます」

と回答があっても、具体的に社内で共有され、商品開発に反映される可能性は低いものでした。ところが大企業を中心にCSR(会社の社会的責任)の一環として、積極的にお客様から話を聞き、具体的な商品・サービス開発に反映させる傾向が出てきています。ある会社のHPをのぞいてみると

《お客様からいただいたご意見で、製品性能の改善など具体的な改善を行っています》

と書かれており、さらにお客の要望に応えて小型サイズの商品を開発したなど、具体的な取り組みがずらりと並んでいます。それだけ会社が『顧客志向』でありたいと考える時代になってきたのです。当然ながら、現場の社員も顧客志向であることが求められます。だだ、

「わが社はプロダクトアウト志向で、お客様の声ありきではなかったのに……」

と、急な変化に戸惑う人もいるかもしれません。ここであらためて、会社が顧客志向でありたいと考える背景を説明しておきましょう。

振り返れば、過去には、商品を作りさえすれば「売れた」会社優位の時代もありました。でも、それはそうとう過去の話。20年以上前から、

・消費者の志向が多様化(消費者優位へと転換)
 ・断続的な不況で「モノが売れない時代」に突入

次ページここまで浸透した「顧客志向」
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