インサイダー取引は“割に合わない” イー・アクセス社員逮捕、今さら聞けない基礎知識

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社内ルールが未整備でも自衛せよ

東京証券取引所をはじめ各証券取引所は、上場会社に対して、インサイダー取引を未然に防止するための社内体制の整備を求めている。だが、「証券会社や銀行のような金融機関に比べ、一般の事業会社の場合は、内部者取引に関するルールの整備が不十分な企業も少なくない」という専門家の指摘もある。ただ、社内ルールのあるなしにかかわらず、インサイダー取引で摘発されれば、社会人としては致命傷になる。言うまでもなく、ビジネスパーソンは手を出すべきでない。

「おかしな取引は見る人が見ればわかる」。かつて証券取引等監視委員会を取材した際、ある幹部はそう明かした。今や株式売買はインターネットや携帯電話を使って簡単に取引できるようになった。逆に、取引が電子化されているがゆえに、不正行為を追求する捜査当局の技能も以前にも増している。その監視網をかいくぐってまで、不正行為に手を染めるメリットはない。

(撮影:尾形 文繁)

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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