砂川さんも「働けるのに治療前に自主退職してしまう方が多い」と指摘し、「がんになっても、休職などの制度も上手に活用し、今の職場を辞めないことが望ましい」と言います。
「まずは今の職場での就労規則や制度を確認しつつ、主治医から病状、治療内容、スケジュールなどを確認し、今後の見通しを伝えて、どのようにすれば働き続けられるか、調整していくことが望ましいです」(砂川さん)
そのために、以下のような行動、対処法が有効だと言います。
組織に所属できる「ありがたさ」を噛みしめた
西口さんはがんになったことで、仕事や会社、人生への考え方も変わってきたと言います。
「退院してから2~3週間は体力を戻すために自宅にいて、子どもと過ごせるので嬉しかったんです。でも、社会とのかかわりがないことは不安です。もちろん家族もいいのですが、社会の輪に入りたい気持ちが芽生えてくる。ですから今は、組織に所属していることへのありがたさを感じるようになりました」(西口さん)
ただし、以前のように「モーレツに働く」というのとは違うスタイルをスタートさせました。
「会社と相談して決めた、これまでとは異なる働き方です。9~18時のフルタイムでしっかり働くものの、残業はせず、家でごはんを食べる。体調の変化や治療に対する周囲の理解もあり、この環境で働けることのありがたさが分かりました」(西口さん)
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