平均年収増減「中部地方321社」ランキング ファナック619万円増、200万円減の企業も

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中部地方の要、名古屋市内の中心部(写真:天空のジュピター / PIXTA)

東洋経済オンラインは、主要な上場企業が過去10年にわたってどれだけ従業員の平均年収を増減させたかを調査。全国のトップ500社ワースト500社に続いて、本社所在地で見て全国7地域別(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)のランキングを作成した。

これまで紹介した「東京都トップ500社」「東京都ワースト300社」「東京除く関東249社」「近畿469社」に続いて、中部圏(愛知、岐阜、静岡、三重、福井、石川、富山、新潟、山梨、長野の各県)に本社を置く321社のランキングを公表する。名古屋を中心とする中部地方は首都圏や近畿圏に比べると絶対数は少ないものの、トヨタ自動車をはじめとして日本を代表する企業を擁する地域だ。

平均年収増減額は10年以上前から上場し、平均賃金を継続して公表している企業を集計対象にした。ただ、単体の従業員数が30人に満たない小規模な企業や、本社の中枢を担う社員しかいないケースが多く、給与水準が製造現場などの実態とかけ離れやすい純粋持ち株会社などは原則として除いた。約3600社の上場企業すべてを網羅している『会社四季報』(2016年秋号発売中)で集計しているデータを活用した。

グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。

ファナックは全国でもトップの増加額

本ランキングの1位はファナック。山梨県に本社を置く工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位のメーカーで、産業用ロボットなどでも強い優良企業として名高い。直近の平均年収は1571万円で、この10年での増加額は619万円にも上る。これは全国でもトップの伸びだ。リーマンショック時に収益は一時落ち込んだが、近年は業績を大きく伸ばしており、財務基盤も極めて堅牢なことから社員に対する還元も進んでいる。

2位は福田組。新潟最大規模のゼネコンだ。県内土木主体から首都圏建築・開発へ展開している。県内の公共工事はそれほど増えていないが、大都市の建築需要を着実に拾い、この10年で平均年収は321万円(56%)増え、直近は895万円となっている。

3位には岐阜県に本社を置く100円ショップ大手のセリアが入った。ここ10年で平均年収は171万円(41%)増え、直近は584万円となっている。東海を地盤に全国展開しており、高効率経営に定評がある。右肩上がりの業績を受けて、従業員にも還元が進んでいるようだ。

平均年収の増加が大きい会社は好調に業績を拡大させているか、一時は不振に陥ったものの、その後、回復に転じたような企業が多い。一方、平均年収の減少額が大きい会社は、業績不振からリストラや事業譲渡などを進めたケースが少なくない。また、非正規雇用の正社員化などの特殊要因が影響しているような会社もある。本ランキング対象の321社のうち、163社が10年前から平均年収を増やし、158社が減らした。

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