電機産業はもはや円安だけでは挽回できない

業界利益水準は1970年代並み、なのに株価は4割上昇

電機関連企業の3月末の株価は、昨年9月末に比べ、4割程度高い。では、業績はどうか?

まず、各社の2013年3月期の営業利益予想を見よう。シャープは赤字を続け、その赤字額は12年3月期の4倍強になる。ソニーは、前年の赤字から回復するものの、11年3月期比で34.9%の減だ。パナソニックの営業利益は1219億円で前年比約3倍となるが、11年3月期の3052億円に比べ、半分以下だ。しかも、最終損益は7650億円の赤字になる。1950年以来の無配転落で、ボーナスも大幅に見直す。

12年3月期は、シャープやソニーの営業利益がマイナスになった年で、電機メーカーの業績悪化が大きなニュースとなった。これと比較すれば、13年3月期の予想は若干の改善だ。しかし、本格回復にはほど遠い。シャープのホンハイとの交渉は決裂し、同社の再建は厳しい状態だ。それなのに株価は約4割上昇している。赤字脱却の確実な保証がない企業の株価がこれほど上昇するのは、異常としか思えない。ソニーは黒字に転換したが、11年3月期には及ばない。それなのに、株価は約8割も上昇している。日立と東芝は、赤字転落は免れているが、営業利益は3年間ほぼ横ばいだ。実際の株価上昇を正当化できるような状況ではない。

以上は個別企業の状況だが、法人企業統計で電気機械器具製造業と情報通信機械器具製造業の利益の合計を見ると、次の通りだ。10年(暦年)は2兆0821億円だったが、11年には1兆1903億円とほぼ半減した。さらに12年には4068億円に減少した。情報通信機械器具製造業の営業利益が、12年4~6月期には赤字になったのが印象的だ。これは、地デジ特需の終焉(11年7月でアナログを停波)、エコポイントの終了などによるものだ。ここ数年の電機業界は、エコポイントや地デジ移行によって翻弄されてきた。補助金がないと収益が上がらない構造になっているのが実情だ。

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