日本株は米ダウ394ドル安でどうなるのか 警戒が必要?それとも買いのチャンス?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
12日以降の日本株はどうなるのか。米国株の影響を受けるのだろうか(写真:AP/アフロ)

FRB幹部と金利先物市場での「大きなズレ」

9日の米国株式市場で、NYダウは前日比394ドルの急落となった。FRB(米連邦準備理事会)幹部による、早期利上げを示唆する発言などを受けて、9月利上げ(20~21日のFOMC=米公開市場委員会)を意識するムードが高まったことが要因だ。

一方、為替市場では、主要通貨に対してドル高が進行した一方、金、原油などコモディティが下落した。ただ、米金利の見通しを示す「FedWatch」(シカゴ・マーカンタイル取引所が算出するFF金利先物)を確認すると、利上げを織り込むような動きは確認できない。金利先物市場とFRB幹部との利上げに対する認識のズレは大きくなっているようだ。

筆者は引き続き、9月利上げの可能性はないと考える。仮に利上げを実施した際は、市場がさほど利上げを織り込んでいないことからインパクトは大きいと考える。一方、日本株については、結論から言えば、日銀のETF(上場投資信託)買い入れが抑止的に働くことによって、一時的な下げに留まるなど、相対的に底堅い展開が見られそうだ。

もう一度、FRB関係者の発言を検証してみよう。市場関係者の間で「ハト派」(利上げに慎重)寄りとみられていたローゼングレン・米ボストン連銀総裁は「利上げを過剰に長く見送ることはリスク」「完全雇用を確実にするには、緩やかな利上げが必要」との見解を表明した。

また、タルーロFRB理事も慎重姿勢を見せつつ「年内の利上げの可能性を排除しない」「個人消費は比較的良好」とも指摘。さらに、米ダラス連銀のカプラン総裁は「現在の低金利は代償を伴う」との見方を伝えるなど、早期の金利引き上げを示唆するコメントが相次いだ。

次ページローゼングレン氏の発言は驚きだったが・・
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事