池袋駅とサンシャイン結ぶ「LRT」構想の全貌 "新型路面電車"が狙う、楽しい乗り物とは
「豊島区は全国でいちばん注目されている。昨年に新庁舎が完成し、今年7月には地元の小池百合子氏が都知事に選出された。いよいよ”時が来た”という思いだ」。8月8日、豊島区内で開催されたシンポジウムでマイクを握った高野之夫・豊島区長の声が熱を帯びた。
豊島区を代表する街、池袋は新宿や渋谷と並ぶ繁華街の一つ。池袋駅にはJR、西武鉄道、東武鉄道、東京メトロが乗り入れ、1日の利用者数は250万人を超える。駅周辺には西武百貨店、東武百貨店などの巨大百貨店が軒を並べるが、その一方で東京芸術劇場をはじめとした文化施設も多い。近年は、サンシャインシティの近くにアニメグッズや同人誌を扱う店が増え、アニメファンの集まる街としても注目を集めている。そんな池袋にLRTという交通システムを走らせようという計画がある。
池袋とサンシャインを結ぶ
LRTとは「Light Rail Transit」の頭文字をとったもので、日本語に訳すと軽量軌道交通となる。イメージ的には路面電車に近いが、低床式車両の導入や駅のバリアフリー化など、日本で昔から走っている路面電車とは違う特徴を持つことから、従来の路面電車と区別する意味でLRTと呼ばれている。
2006年、富山市が日本で初めて本格的なLRTを導入。その後、宇都宮市をはじめとして、LRTの導入に動き出した都市は全国にいくつもある。池袋もその一つだ。
約2キロメートルのルート案は、池袋駅東口を起点に駅前から伸びるグリーン大通りを直進し、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)を左折、サンシャインシティの東側、北側を走って池袋駅東口に戻る。都電荒川線が近くを走るが、現在のプランでは接続は想定されていない。
池袋駅東口の駅前にある明治通りはつねに自動車であふれかえっているが、現在は明治通りのバイパスを整備中。2019年度の完成後は、駅前の道路を廃止して歩行者広場にする構想を豊島区は持っている。そこにLRTが乗り入れれば、池袋東口のイメージは大きく変わる。豊島区は2035年を想定した池袋駅周辺のまちづくりガイドラインを今年7月に策定。LRTの導入計画はそこにもしっかりと盛り込まれている。
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