日本株は、いったん暴落する可能性がある インテリジェンスのプロ、原田武夫氏が大胆予測

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その意味で、いまもっとも警戒すべきなのは、一見すると互いに無関係のように見えるリスクとリスクの網の目を見出し、その同時炸裂に備えることなのである。むろんこれにはアメリカ航空宇宙局(NASA)がかねてより警告してきた今年5月ごろに想定される「太陽嵐」の発生といった天変地異の到来も含まれて来る。

いやもっと正確に言えば、そうした人智を超えた事態が発生するからこそ、それまで保たれてきた微妙なバランスが崩され、それまで貯まってきたマグマが同時多発的に噴出し始める可能性があるのだ。まさにその意味で「想定外を想定すること」。これこそが、私たち全員にとっていま最も重要なことなのであって、事態はもはや、やれ株高だ、円安だと騒いでいるどころの場合ではないのである。リフレ派たちが叫ぶ陽気で無邪気な「アベノミクス」論に迎合している暇など、まったくもってないのだ。

もっとも「複合リスク」やその「同時炸裂」といわれても、一体どこから手をつけたら良いのかわからないという読者も多いのではないかと思う。それもそのはず、学校教育では言うに及ばず、企業内教育でもこうした連なりを考えるための訓練を、私たち日本人が学ぶことはないからだ。

そこで4月4日に上梓する拙著『「日本バブル」の正体~なぜ世界のマネーは日本に向かうのか』(東洋経済新報社)ではこのことに焦点を当て、マーケットを中心とした我が国と世界の“今”と“これから”について活写してみた。これをお読みいただければこれまで知らなかったことも含め、「点」と「点」の情報が「線=シナリオ」となり、しかもそれが相互に複雑な形で絡み合っていることを容易に理解できるのではないかと思う。是非ご一読いただきたい。

(撮影:尾形 文繁)

*5月(奈良)と6月(東京)に、原田氏の新刊記念講演会を行う予定です。くわしくはぜひ、こちらをご覧下さい。

 

原田 武夫 原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役

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はらだ たけお / Takeo Harada

原田武夫(はらだ・たけお)株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役(CEO)。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格、外務公務員Ⅰ種職員として入省。12年間奉職し、アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)を最後に自主退職。情報リテラシ―教育を多方面に向けて展開。自ら調査・分析レポートを執筆すると共に、国内大手企業などに対するグローバル人財研修事業を全国で展開。学生を対象に次世代人材の育成を目的とする「グローバル人財プレップ・スクール」を無償で開講。近著に『「日本バブル」の正体~なぜ世界のマネーは日本に向かうのか』(東洋経済新報社)、『インテリジェンスのプロが書く日本経済復活のシナリオ ――「金融立国」という選択肢』(中経出版)。9月に『それでも「日本バブル」は終わらない』(徳間書店)が刊行。12月6日に『ジャパン・ラッシュ――『デフレ縮小化』の中で日本が世界の中心となる』(小社刊)が刊行。 原田氏の話を直接お聞きになりたい方はこちらへ→2014年 年頭記念講演会、東京:1月18日、大阪1月26日

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