ユニクロを”投資家目線”で分析してみた

株価上昇はいつまで続く?

グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを 縦横無尽につづる。
「日本発の新しいグローバル企業」を目指すユニクロ。アニュアルレポートに書かれたメッセージはとてもわかりやすい(撮影:尾形文繁)

今はフランス時間朝5時。シャンパーニュ地方へシャンパン造りの視察にいってきた帰りで疲れて昼間から寝てしまったところ、起きたら朝4時だったので、東洋経済の親愛なる皆様に早朝一番、コラムを1本お届けしたい。

ふと寝ぼけ眼で「東洋経済オンライン」のアクセスランキングを見てみると、いまだにユニクロネタばかりである。風間直樹記者が書かれたユニクロ疲弊特集に加え、増益ランキングでもユニクロネタ、そしてそれに便乗したグローバルエリートは見た!のユニクロネタが二本。先週、「ユニクロ論争、これにて一件落着」と書いておきながら、便乗してさらにもう一発投下することにした。

ただしここら辺でユニクロネタを読むのを読者の皆様にはやめていただきたい。さもなければ編集長から「ムーギーさん、まだまだいけますよ。年末までユニクロネタでひっぱりましょう!」と冗談か本気かわからないリクエストが届きかねないからだ。

株価上昇とアベノミクスはファンダメンタルには無関係

さて、ユニクロの株価は3万円に迫り、PBR(株価純資産倍率)は8倍近辺と恐ろしい水準である。株高はユニクロに限らず、最近は株価上昇とアベノミクスの政策検証が盛んに行われている。

ここで最近の株価上昇とアベノミクスとは、ファンダメンタルには全然関係ないことを読者の皆様にお伝えしておこう。そもそも円高と日本株売りの背景には、米国サブプライム危機とヨーロッパのユーロ危機の中で資金の逃避先として円が買われことに加え、グローバル経済の停滞に伴う株から債券への資金シフトの中で、日本株が円高と需給の観点から売られ続けてきたことがある。ユーロ危機とサブプライム危機が一服した今、円からドルとユーロに資金が流れ、債券から株に戻ってくるのは当たり前のことである。

この大きなストーリーに気づかず、こまごまとした“政策効果”を語るのは的外れも甚だしい。しかしながら安倍さんはラッキーで、このタイミングにうまく乗って金融緩和や大規模財政拡大論が批判とともに騒がれたので、どうせ起こる運命にあった資金シフトのモメンタムに拍車がかかった。

なお日本の株価が上がっていると的外れにも威張っている自民党関係者がいるが、リーマンショック以降、危機の震源地であったアメリカでは、すでに株価指数が2倍になっていることを忘れてはならない。8000円から1万2000円に戻って喜んでいる場合ではない。日本株は世界株が売られるときはわれ先に売られ、世界株が戻るときはいちばん戻り幅が小さいのだ。

かつ“民主党政権は駄目だったと認めよ!”とたけだけしく迫っている自民党議員は、その何倍ものスケールで責任が重いことを忘れるなと申し上げたい。失われた20年の中、いったい何年自分たちが政権を担当したと思っているのだろう。

次ページアニュアルレポートでユニクロを分析
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