尖閣問題で感じた、我ら日本人のビビり根性

首相補佐官として見た、尖閣問題の真実

「お母さん、あなたの息子やお孫さんが、あの小さな島のために死んでくれますか。人殺しをしてくれますか」

こうした国家からの重たい要請に、喜んでとまでは言わないまでも、少なからぬ決意を持って「わかりました」と応じてくれる国民が、どのくらいいるのでしょうか。少なくとも過半数はいないと、「毅然たる外交」なぞ、誰が総理になっても夢のまた夢です。  

国土のため、命を捨てるどころか、下手をすれば、経済的犠牲さえ払う覚悟がない。こうした国民に選ばれた政権が、民主主義の原則の下、どうして強気の外交交渉をできましょうか。こちらは手を縛られているのです。一方、向こうは、自由自在に手を出せるのです。  

本当の「国際感覚」とは

私は、必ずしも武力紛争を覚悟で外交をすべきだ、と断言するつもりはありません。それは、最後は、国民の決めることです。ただ「命を懸ける覚悟がなければ、あまり勇ましいことを言ってはいけない」とは、主張します。そして、領土主権を守るためには、こうした覚悟が求められるということも。少なくとも、中国、韓国、北朝鮮、ロシア、アメリカと、日本を囲む国々の国民は、こうした覚悟があると思います。これが本当の「国際感覚」です。

歌舞伎町を風を切って歩きたいのであれば、やくざに絡まれることを覚悟しましょう。絡まれてから、急に低姿勢になるのであれば、最初からつつましやかに歩きましょう。外交においては、はったりを見透かされた瞬間、世界中から見下されるようになります。大恥をかきます。

これは国民が、自ら腹を決めなければいけないことです。当然、「事が起きたら、自衛隊や米軍が適当に頑張ってくれるだろう」という、甘ったれた、無責任な、傍観的な態度は許されないのです。  

国土の防衛は、冒頭で申し上げた「自己犠牲を伴う課題」の最たるものです。私が言う愛国心は、外国に旅行してみそ汁が懐かしくなるような次元の話ではありません。小さな小さな島のために、命を要求する、峻烈な愛情なのです。

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