東京都競馬、若者のギャンブル離れに悩む “脱・競馬依存”を志向

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さらに、保有資産を活用した事業や既存事業とシナジーが見込める分野への進出を検討し、既存業態周辺でM&Aの活用も積極的に検討していく方針だ。

倉庫事業を行う勝島と平和島(東京都大田区)は、羽田空港や東京港に近く、都心とのアクセスも良い。倉庫は大手運輸企業への1棟貸しが基本で、空室リスクがなく賃料収入が安定している。羽田の国際化による発着枠の拡大など、今後も貨物便や輸送量の増加が期待できるため、収益柱であり続ける。今後は新たな事業用資産の取得で収益力を強化していく。

倉庫を底支えに、他事業のコスト圧縮とシナジーによる収益力強化で、新たな成長軌道入りを目指す。

大井の立地を生かした倉庫事業が収益の柱

東京都競馬の前年度(2012年12月期)の決算は、売上高161億円(前期比6.5%増)、営業利益25.9億円(同20%増)。増収増益だが手放しで喜べない。というのも、これは東日本大震災後に起きたギャンブルの自粛がほぼなくなって、正常化したことが主因だからだ。00年代の最高益である08年度の水準(営業利益34億円)を稼ぐほどではない。

前年度業績を分解してみると、競馬やオートレースは開催日の増加が寄与した。東京サマーランドは営業日数を増やして攻勢をかけたが、水道光熱費やテナント委託費などが膨らみ、部門別でみると若干の赤字だった。

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