中国が旗を振る「エチオピア開発」の光と影

住んでいる中国人は13万人、日本人は200人

アディス・アババ市内の「チャイナ・マーケット」近くにある中国人が経営する魚店 ©Kiyori Ueno
今や"人類に残された最後の成長大陸”とも言われるアフリカ。なかでも、サブサハラ(サハラ砂漠以南)には大きな潜在力を持つ国が多い。その代表格がエチオピア。人口9950万人とアフリカ大陸ではナイジェリアに次いで人口が多いエチオピアは、過去10年間連続で約10%の経済成長を達成、2014年の経済成長率は10.3%で世界1位を記録した。
本連載では、そんなエチオピアの素顔を現地から報じてきたが、最後に4回に分けて「存在感が高まる中国」についてリポートする。今回はその第1回。

 

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エチオピアの首都アディス・アババ。空港から市内に向かってメインのボレ大通りを10分ほど車で走ると左手に日本大使公邸がある。かつて「ジャパン・マーケット」と呼ばれていたエリアだが、今では誰もが「チャイナ・マーケット」と呼ぶ。大使公邸のすぐ近くの野菜・果物マーケットがあるエリアに中華系小売店や火鍋などのレストランが次々にでき、アディス最大の中華街となったためだ。

朝9時には多くの中国人がどこからともなく次々と車で現れ、白菜、茄子、豆腐、モヤシなどをビニール袋に入れて何袋も買い付けて行く。中には中国外交官であることを示すナンバープレートを付けた車もある。「ここは今ではすっかり中国だよ」。買い物を終え、大きな袋を腕に抱えて車に乗り込もうとしていた中国人男性は笑いながら言う。

大連からエチオピアへ

このエリアの一角にある野菜店オーナーのユー・ミアオユーは20代後半、身長170センチはある大きな女性だ。スタイリッシュな四角い黒ぶちの眼鏡をかけ、手には濃い紫色のマニキュア、長いストレートの髪の毛を緩いポニーテールにし、ジャージのパンツ姿でスマートフォンをひっきりなしにチェックしている。顧客からの電話も次々にかかる。中国語とアムハラ語(エチオピアの公用語)を両方操りながらエチオピア人従業員に指示を出す。

アディス・アババ市内の中華料理店。中華料理店はどんどん増えている ©Kiyori Ueno

大連出身のユーが友人と2人でエチオピアに来たのは2012年1月のこと。この国で商売を始めるためだった。2月には野菜店を友人たちとオープンした。「(大連で)大学を出たばかりで、これといってやることもなかった。中国は人口が多いもの。仕事が必要でしょ」。

その後、友人たちは仕事が退屈で中国に帰ってしまい、自分だけが残って商売を続けている。今ではエチオピア人と結婚し、父親もユーを追って大連からやってきて店を手伝っている。「エチオピアでお店をやるのは大変だけど、ここにはビジネスがあるから来てよかった」。

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