最貧困の「出稼ぎ女性」を襲う過酷すぎる現実

出稼ぎに行った先では何が待っているのか

ハレゲウィン・アスマレさん。レバノンから戻り、現在はアディス・アババ西部で暮らしている ©Kiyori Ueno
今や"人類に残された最後の成長大陸”とも言われるアフリカ。なかでも、サブサハラ(サハラ砂漠以南)には大きな潜在力を持つ国が多い。
その代表格がエチオピア。人口9950万人とアフリカ大陸ではナイジェリアに次いで人口が多いエチオピアは、過去10年間連続で約10%の経済成長を達成、2014年の経済成長率は10.3%で世界1位を記録した。そんなエチオピアの素顔を、現地から連続でリポートしていく。

 

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エチオピアの首都アディス・アババで暮らしていた現在23歳のハレゲウィン・アスマレがメイドとして働くためにレバノンに渡ったのは2年半前のことだった。アディス西部のトタンや泥の家が密集する集落で一緒に育ち、レバノンに出稼ぎに行っていた女性が休暇で戻ってきた際に「働きに来ない?」と誘われたのがきっかけだった。

みるみるうちに裕福に

この女性はアスマレと同じように貧しい家庭の出身。ところが、レバノンでの出稼ぎで裕福な暮らしぶりになっていた。この女性はアスマレに「レバノンで働けば月に4000ブル(約2万円)もらえる」と伝えた。アスマレは、ほかの家庭の状況も目にしていた。同じ集落から中東に出稼ぎに行った女性たちの実家は、泥の家からセメントの家に変化するなど、みるみるうちに裕福になっていったのだ。

アスマレは高校卒業後、専門学校にも行ったが仕事はなかった。父はアディス市内でラバを使って荷物を運ぶ仕事をしており、8人家族の家庭は貧しい。そこで契約書がないまま、メイドとして2年間働くことに合意した。

女性の知り合いという斡旋業者が航空券を手配し、アスマレに「観光客として入国するように」と告げた。2014年2月、レバノンの首都ベイルートに到着すると空港で待っていたのは雇用主である50代の小学校教諭の女性とレバノンの斡旋業者。そこで告げられたのは6人家族である雇用主の家だけでなく、雇用主の娘夫婦の家、そして雇用主の義母の家と3つの家で働くということだった。

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