ヒュンダイ、“究極のエコカー”で先手 燃料電池車のライン生産、トヨタ、日産押さえ世界初を奪取

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韓国の大手自動車メーカー、ヒュンダイは2月26日、蔚山(ウルサン)工場で、世界初となる燃料電池自動車(FCV)のライン生産を開始した。

FCVとは、燃料電池(FC)スタックで発生させた電気で動く自動車だ。FCは、水素と酸素を化学反応させて電気を取り出す仕組みの電池(というより発電 装置)で、反応後には水しか排出されない。二次電池(バッテリー)のみから電力を取り出すいわゆる電気自動車(EV)に比べ、一度に積載できる水素から多くの電力を取り出せ、現在のガソリン車以上の航続距離が実現できる。現時点で“究極のエコカー”ともいわれる。

満タン状態で588kmを航続

ヒュンダイが生産するのは、独自開発した燃料電池システムを搭載したSUV(多目的スポーツ車)「ツーソンix35」。満タン状態で、5.6kg(700気圧)の水素を搭載でき、航続距離は588km。最高時速も160km/hと、実用上はガソリン車と同等に使える。

まずは、デンマークやスウェーデンなど北欧の自治体向けに販売する予定だ。北欧各国は、環境対策として電気自動車やFCVの導入を積極的に進めており、ヒュンダイとはFCVの開発でも提携している関係がある。グローバルでの公共機関向けなどを中心に、2015年までに合計1000台の販売を目指す。

今回、蔚山工場に導入したラインは、商業生産をにらんだパイロットラインとの位置づけで、年間1000台の生産能力を持つ。ライン生産を通じて量産技術の開発を進め、コストダウンを図っていく計画だ。今後、15年には年間1万台の能力をメドに商業生産を開始、20年以降は年間10万台以上の生産を目指していく。

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