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東洋経済が毎年作成している「新・企業力ランキング」。財務面から企業の真の力を探ろうというものだが、業種ごとの上位企業の顔ぶれはどうだろう。18の業種に分け、ベスト20を作成した。
上位企業が多い元気な業種は?
上位にランクインした企業が多かったのが情報・通信業。上位100位(101社)のうち21.8%を占めている。業種別上位のヤフー(全体順位2位)、NTTドコモ(同5位)、グリー(同8位)は総合ランキングでも10位以内。20位のエヌ・デーソフトウェアでも全体で96位と、全体ランキング100位内の情報・通信業の存在感は大きかった。
輸送用機器は復活組が目立つ。前年度は総合上位30社に入っていたのはデンソー1社(28位)だったが、今回は業種トップのデンソーが総合10位。続いて、総合21位のアイシン精機、22位のトヨタ自動車と上位に返り咲きつつある。第1回のランキングではトヨタ自動車(2位)、日産自動車(5位)、デンソー(7位)など10位内に5社がランクインしていた。かつてのこのレベルまで復活できるかどうか、次期以降の注目点だ。
まずは、水産・農林業/鉱業/建設業、食料品、繊維製品の3業種から、そのランキングを見てみよう。
全体1位の出た鉱業、一方で繊維は低迷か
「水産・農林業/鉱業/建設業」のランキングで全体順位1位の国際石油開発帝石に続いたのは建設業の大和ハウス工業(同47位)。戸建て建築の雄だが、規模に加えて、成長性、収益性が高得点だった。建設では、管理・賃貸保証まで手掛ける大東建託やプラントの日揮など、専門性を備えた企業が上位に並び、総合ゼネコンは下位となっている。上場スーパーゼネコン4社のうちでトップは大成建設だったが、成長性と安全性にやや遜色があり、全体順位は1053位に沈んだ。
「食料品」は地元名産や単品創業から総合メーカーまで規模のバラツキの大きい業界だが、上位には規模の大きい味の素(全体順位78位)、キリンホールディングス(95位)、JT(112位)が並んだ。味の素は各指標高得点だったのに対し、キリンは安全性が若干低く、JTは海外M&Aを進めたものの、たばこを中心に成長性が劣っている。
「繊維製品」はトップ企業の総合順位が3ケタ。単独業種としては低迷業種といえるだろうか。東レ(全体順位102位)は炭素繊維、日清紡ホールディングス(505位)は自動車部品と、老舗の大手2社は多角化が進み、得意分野を持つが安全性や規模が若干物足りなかった。ホギメディカル(355位)は医療用不織布がトップシェアで安定的だが、その分伸び率等の成長性は横ばい状態だ。
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