業種別「新・企業力ランキング」ベスト20 2013年版 主要18業種の上位企業は?

✎ 1〜 ✎ 34 ✎ 35 ✎ 36 ✎ 最新
拡大
縮小

新興企業が躍進のサービス

「小売業」では、ご覧のとおり、業種上位20社に百貨店は入っていない。それに取って代わったと思われた、SPAで世界進出を図るユニクロのファーストリテイリング(全体順位30位)、家電量販店日本一のヤマダ電機(45位)、コンビニ、GMSを併せ持つ流通業界の雄セブン&アイ・ホールディングス(67位)さえをも尻目に、業種トップに立ったのはアパレルネット販売「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイだ。上場してわずか5年目。ここでもネットを使った新規参入と新しい業態が伸張しているのがわかる。トレジャー・ファクトリー(193位)も総合リサイクルなどニッチな分野で参入、業績を伸ばしている。サンドラッグ(174位)、ココカラファイン(198位)は、再編や合従連衡が続くドラッグストアの勝ち組と言える。

「不動産業」で業種トップは三菱地所(全体順位36位)。丸の内を初めとする賃貸だけでなく分譲にも注力する。続くエムティジェネックス(55位)はリニューアルと駐車場主体のジャスダック上場会社。総資産規模では三菱地所と比べるべくもないが、成長率と安全性に優れる。分譲関係の不動産業は、物件の販売や兼営の工事計上時期によって大きく順位が変動することに注意が必要だ。アーネストワン(655位→91位)、ファースト住建(616位→291位)、日神不動産(1995位→294位)、大京(圏外→315位)らが大きく順位を上げている。

「サービス業」では業種上位20社に漢字を使った社名は1社しかなく、それだけ新興企業の多い業種だといえるだろう。本編で詳述した初登場のクックパッド(全体順位13位)をはじめ、ディー・エヌ・エー(6位)、カカクコム(同13位・価格比較サイト運営)、エムスリー(18位・医師向け情報サイト運営)などは、いずれも成長性のスコアが1000点と満点で、規模の得点の低さを十二分にカバーしている。旧来の業種分類は、提供するものが、製品なのか、消費者向け商品なのか、サービスなのかで区分しているが、ITが発達した現在のビジネス環境では、真に売るべきものは「知恵」なのかもしれない。

(撮影:尾形文繁)

■CSR企業総覧

企業評価の新たな視座として浸透してきたCSR(企業の社会的責任)。上場企業をはじめ有力1128社におけるCSRの取り組みを、国内最大規模のデータベースから各企業個別に紹介した、日本で唯一の刊行物。

紙版はこちら
データ版はこちら

 

東洋経済 財務・企業評価チーム
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT