円安続けば、電気料金「2割」値上げも

料金改定に燃料費調整制度が追い打ち

日本経済へのメリットばかりが注目されがちな円安だが、海外からの輸入品価格を値上がりさせる要因になることは言うまでもない。原燃料のほぼすべてを輸入に頼っている電気の料金も、夏にかけ上昇が顕著となりそうだ。円安のデメリットが消費者や企業を直撃する。

アベノミクス浮上前は「円高」が料金アップを抑えていた

東京電力(写真は同社本店外観)の例でいうと、家庭向けの平均モデルの電気料金は昨年9月に「料金改定」(家庭向け8.46%、企業向けは4月から14.9%)によって、7548円と前月比5%近く上がった。

ただ、その後は燃料となるLNG(液化天然ガス)や原油、石炭の価格が下落したため、「燃料費調整制度」によって今年2月には7273円まで下がり、料金改定の影響をかなり打ち消した。

燃料費調整制度とは、3~5カ月前の平均燃料輸入価格(貿易統計ベース)の変化を毎月の電気料金に自動的に反映する制度(自由化された企業向けにも同様の仕組みを導入)。原価全体を根本的に見直す「料金改定」とは別のものだ。

アベノミクス期待が浮上する前の昨年11月までは、為替が1ドル=79円近辺で推移していたことも燃料輸入価格の抑制につながっていた。

燃料費調整制度による電気料金の算定方法は以下のとおり。
電気料金=基本料金+電力料料金単価×1カ月の使用電力量±燃料費調整単価×1カ月の使用電力量+再生可能エネルギー発電促進付加金+太陽光発電促進付加金-口座振り替え割引額
(注)燃料費調整単価とは、平均燃料価格から前回料金改訂時の基準燃料価格を差し引き、基準単価(東電の場合は1キロワット時当たり1000分の22.2銭)を乗じたもの

円安で急上昇した燃料輸入価格が料金に反映

ところが、昨年12月から円安が急伸したことによって、燃料輸入価格も上昇に転じている。

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