フラガール、風評吹き飛ばす 常磐興産、原発停止で石炭も返り咲く

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スパリゾートハワイアンズでは、1月11日に開かれた常磐グループ新年祝賀会の場で、「起き上がりフラ」を初公開し、出席者へのお土産に配った(写真)。

福島県会津地方の民芸品「起き上がり小法師(こぼし)」をフラガールの姿形にアレンジしたもので、「転んでも何度でも起き上がる」のが特徴。フラガールメンバーの1人である須藤水貴さんの父親の須藤正彦さんが、震災後のフラガールの活動に共感して製作を始めたものだという。

起き上がりフラは、震災後のグランドオープン(12年2月8日)から1周年を迎えた今年の2月8日、ビーチシアター有料席の予約客に無料でフラガールからプレゼントされたほか、3月からは限定販売も予定されている。

全国キャラバンから、ショーのリニューアル、オリジナル曲の作詞、グッズまで、キラーコンテンツのフラガールを縦横無尽に活用し、利用者数の積み上げを図る――。復興計画の前倒しに向けた、常磐興産の布石は打たれつつある。

12年度の利用者数も上振れの余地

足元の2012年度も常磐興産の業績は想定以上に順調だ。11年11月に策定した新中期経営計画では、12年度のスパリゾートハワイアンズの利用者数目標として、日帰り100万人、宿泊28万人を掲げていた。

ところが、ふたを開けてみれば、従来からの中心利用者層である首都圏ファミリー客の戻りは鈍いものの、被災企業の代表格ともいえる常磐興産に対し全国的に支援の動きが盛り上がり、企業など団体客による宿泊利用が想定以上に拡大した。

ファミリー客に比べて、団体客はお土産などへのニーズが高く、酒類など福島県産品を中心に物販も膨らんだ。昨年夏休みが終わった段階で、会社側は12年度の利用者数の目標を、日帰り135万人、宿泊37.7万人に上方修正している。書き入れ時の夏休み以降も集客は順調であり、昨年12月末の時点で利用者数はさらに3万人程度、修正目標よりも上振れする形で積み上がっているもようだ。

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