“超”優秀な人材が、NPOに押し寄せる理由 企業とNPOが人材を奪い合う時代

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本のNPOの可能性を限界まで追求したい

今回紹介したメンバーのほかにも、クロスフィールズには熱くて優秀な仲間たちが少しずつ集まってきている(エネルギッシュな女性が多くて、僕はいつも押されぎみだが……笑)。

クロスフィールズで働くメンバーと。皆、「想い」に共感して集まってくれた大事な仲間たちだ

それぞれすごく個性的なメンバーでもあるが、全員に共通しているのは、何かしらの「想い」を団体のミッションと重ね合わせているということだ。ただ単におカネを稼ぎたいという目的ではなく、「想い」をベースにしているからこそ、これだけのメンバーが集まっているのだと思う。

でもだからといって、NPOは「想い」がベースだから給与は犠牲にするというのはおかしな話だと、僕たちは同時に思っている。「NPOは利益を出すな」というのが誤解であるように、「NPO職員はカネを稼ぐな」というのも間違った発想だ。

社会課題が山積する日本社会において、政府がすべての社会サービスを担い続けることは不可能だが、かといって企業が参入できる領域も限られている。そんな中、社会がNPOに期待する役割はますます大きくなっている。

にもかかわらず、日本のNPOをめぐる状況はまだまだ厳しい。ある調査によれば、日本のNPO職員の平均年収は200万円を下回っているという。これでは家族を養っていくこともできず、男性が結婚して子供が生まれると退職する「男の寿退社」があるというのが、NPO業界の悲しすぎる現実だ。

先ほど僕たちがNPO法人で起業した理由を2つ説明したが、実はもうひとつある。自分たち自身がNPO法人として先陣を切って走っていくことで、NPOで働くとことがカッコいいと思われるような世の中を創っていきたいと考えているのだ。

「想い」を体現しながらイキイキと働くことができ、ビジネススキルも磨けて、そしておカネだってちゃんと稼げる。そんな「カッコいいNPO」に自分たちが成長していくことで、世の中の常識を変えていきたい。

ちなみに、そんなクロスフィールズでは今、活動に加わってくれる仲間を募集中です(笑)。まだまだ高い壁を数多く乗り越えなければならない段階ですが、よかったら僕たちと一緒にカッコいいNPOを創っていきませんか?

小沼 大地 NPO法人クロスフィールズ代表理事

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こぬま だいち / Daichi Konuma

一橋大学社会学部・同大学院社会学研究科修了。青年海外協力隊(中東シリア・環境教育)に参加後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。同社では人材育成領域を専門とし、国内外の小売・製薬業界を中心とした全社改革プロジェクトなどに携わる。2011年3月、NPO法人クロスフィールズ設立のため独立。会社員時代より社会貢献活動に関心を持つ社会人向けのコミュニティCompass Pointを主宰し、これまでに800人を超す参加者を集める。世界経済会議(ダボス会議)のGlobal Shapers Community(GSC)ジャパン2011に選出される。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事