都知事選「小池圧勝」は"対話力"で説明が付く

3候補の街頭演説には雲泥の差があった

8月2日、初登庁した小池百合子新知事(撮影:尾形文繁)

東京都知事選は小池百合子候補の圧勝で幕を閉じた。「消去法で決まった」などと揶揄する声もあるが、投票率は前回の46.14%を大きく上回る59.73%。都民の高い関心をうかがわせた。

筆者は前回の記事で、「政治家のコミュニケーション能力(コミュ力)を是非、選択の判断材料にしよう」と書いた。結果としては、まさにその力で他候補を圧倒する小池氏が栄冠を勝ち取った格好だ。選挙戦中、主力3候補の遊説を聞いて回ったが、差は歴然。小池氏の勝利の「コミュ力」の方程式とは何だったのかを掘り下げてみたい。

増田氏には「熱狂」がなかった

まずは負けた2候補のコミュ力の話からさせていただこう。自民党・公明党などがプライドをかけて推した増田寛也候補。見た目はまさにザ・官僚で、堅物そうな印象だが、意外にがっしりした感じで、たたずまいは悪くない。ただ、スピーチが始まる前から、その場の温度はどの候補よりも低かった。応援に駆け付けた衆議院議員や区議会議員がズラ~っと並び、その挨拶が延々と続く。

街宣車の前にも議員や、党関係者と思しき人々が集まり、しょうもない世間話に花を咲かせている。義理で集まったとしか思えない空気感で、会場のムードはダダ下がりだ。米大統領の共和党大会、民主党大会の様子をご覧になった方もいらっしゃるだろう。選挙の遊説の場は、お祭りの場なのだ。支持者の熱狂と盛り上がりのない候補者に勝ち目はない。

そんな増田氏の演説は、岩手県知事選で場数も踏んでいることもあり、手慣れた感じだ。ただ、絶望的につまらない。徹頭徹尾、政治家特有の「一人語り」が続くのだ。「保育の問題の権限は区になり、私は区長と腹を割って話します」「私は政策論争がしたいんです」。自分が主語の言葉が続く。

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